近接場磁気光学顕微鏡

Near-Field Magneto-Optical Microscope


(東京農工大学工学部)佐藤勝昭
e-mail:satokats@cc.tuat.ac.jp

《はじめに》
 近年、高密度磁気記録の進展にともない、磁性体の微小な領域の観察手段の確立が
急務となっている。従来からこれらの観察手段として、ローレンツ顕微鏡、スピンS
EMなどの電子顕微鏡を用いる方法や、MFM、スピンSEM、SNOMなどの近接
場プローブ顕微鏡などが開発、研究されてきている。私たちは、近接場磁気光学顕微
鏡(Near-field Magneto-Optical Microscope:NMOM)の開発を行っている。
この装置の特徴は、電子顕微鏡のように高真空、高電圧を必要とせず、比較的簡単な
装置構成で100nm以下の微小領域の磁化状態を観察できること、NMOMでは試料の
磁化に関する情報を直接得ることができるという点が挙げられる。近接場プローブ顕
微鏡を用いた光磁気記録の観察についていくつかの報告があるが、磁区の観察手段と
して検討した例は少ない。
《NMOMによる磁性体微小領域の観察》
  今回用いたNMOMの装置構成を図1に示す。光学ファイバプローブは先端をテー
パー状に細く加工し、金属被覆をして50nm程度の開口を持つ。このファイバに直接偏
光したレーザ光を導入する。開口から照射される光はエヴァネセント光と呼ばれる。
エヴァネセント光は磁性体材料において散乱され、レンズ、検光子を通り検出器へと
導かれる。光学ファイバプローブと磁性体試料の距離は原子力間顕微鏡(AFM)モ
ードで制御されている。この装置で磁性ガーネット(Bi:DyGaIG)MOディスクの微
小記録ビットの観察を行った。図2は、その結果で、ガーネットに記録された微小記
録ビット像である。1×1、1×3ミクロンの微小ビットが観察された。このように
NMOMは、磁性体微小領域の観測を磁気光学を用いて行う新しい手段として注目さ
れる。
図1NMOM装置構成(透過型配置)__________図2ガーネット観察像

本研究は文部省科学研究費基盤研究A(試験)の助成を受けている
内容の1部は日本応用磁気学会学術講演会にて発表した。