吐糸(とし) spinning 終(5)齢幼虫は熟蚕となり、絹蛋白質を吐糸口から吐き出す。

熟蚕は繭を作るところを探し、這い回るようになり、営繭する。
吐糸前日
熟蚕
幼虫は若干縮み、体が透け、徘徊する。

熟蚕 (じゅくさん mature larva, matured silkworm)
 営繭をはじめる時期に達した幼虫
 
 餌を食べなくなり、営繭させるために上蔟させる。


上蔟 (じょうぞく mounting) 熟蚕を集めて
 蔟
(まぶし cocooning frame)に移すこと。

上蔟させないとどうなるか? 営繭時に排尿するので、飼育場所が汚れる。また、蚕は桑の葉を使って営繭するので、桑の葉を丸め、その中で繭を作る。排尿による高湿度、食べ遺した桑の葉の湿度で繭を収穫しずらく、繭の質も低下する。


数万頭を上蔟する時 回転蔟を使用
日本の養蚕農家では回転蔟を使用
            
養蚕農家 二階が上蔟室

ダンボールの枠の中に蚕が入って営繭。

熟蚕は上に登る性質があるので、営繭しなかった蚕は上部に集まる。。上部に蚕が集まると重みで回転する。下部にきた蚕は再び営繭する場所を求めて上に登る

数十〜数百頭を上蔟する時 百年蔟を使用  
研究室ではこのような百年蔟を使っています。

熟蚕をに移す
これを新聞紙で包んでいます。

観察しやすいように外しています。


繭を作る場所を探して吐糸する。

排尿
する。

営繭

最初に吐いた糸(足場となった糸)は毛羽になる
3日位かけて糸を吐く


数頭を上蔟する時新聞紙を使用

紙の上に蚕を並べ、筒を作るように包む。

排尿するので新聞紙のような水をよく吸う紙を使う。

営繭を観察したい時 ペットボトルを使用しては如何でしょうか?
ペットボトルを切って筒状にし、下に紙を引き、蚕を入れる。


営繭時、温度は2223 湿度70%以下が良い 2〜3
 
営繭 えいけん cocooning 蚕が繭を作ること
  
1箱(2万頭)、吐糸21L、尿9L、排糞4.1L、呼吸9.8Lの水分が出される。

繭の品質は上蔟後3〜4日で決まるので温度、湿度の管理に注意する。
上蔟室の換気と温度調節に気をつける。微風を送ると繭質が良くなる。吐糸後〜化蛹時 温度2324  23
 
化蛹(蛹化) pupation 幼虫から蛹に変態すること   pupa (pl.pupae)





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