カイコは野外にいるの?

 農家で飼育されているカイコは別名「家蚕」というくらいで、野外にはいません。
カイコの近縁種のクワコ、ヤママユガなどは野外で生息しています。
これらの絹糸昆虫は「野蚕」と呼ばれています。
 
 クワコはカイコと同じように桑の葉を食べて育つので、桑園を探すと見つけることができます。
形態や生活史はカイコと極めて似ていて交雑種をつくることも可能です。


クワコ

 ヤママユガの類(天蚕、柞蚕)は、クヌギなどの雑木を食べて育ちます。
繭を作りますが、カイコとは形態、生活史等随分異なっています。


左から、カイコ、天蚕、柞蚕、樟蚕、クワコ


カイコは野外でも生きていけるの?
 
 カイコは人の手助けが無いと生きていけません。野外の桑の木にカイコを放してもほとんど生きていく事ができません。 脚の爪が退化しているために、雨風によって桑から落ちてしまいます。再び登ってくることはまずできません。地面に落ちれば蟻の餌食となります。 運良く桑から落ちなくてもやはり鳥、蜂の餌食となってしまいます。

 ちなみに、成虫(蛾)になっても飛ぶ事ができません。だから、野外で成虫化しても交尾相手を探すことができません。また、交尾したら、今度は離れる事ができません。通常は交尾したカイコを人が離してあげています。


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