テグス
現在、釣り糸はナイロンなどの合成繊維であるが、合成繊維が使われる以前にはテグスが用いられた。テグスは水中で透明であり、針と道糸の間に使われていた。絹糸昆虫の幼虫の絹糸腺からテグスを作成できる。
樟蚕の絹糸腺を用いると2〜3mのテグスを作ることができる。このため樟蚕はテグス蚕とも呼ばれる。
テグスの作り方
1.幼虫を解剖皿にのせる(仰向けでもうつ伏せでもどちらでも可)。
2.頭部と胸部の間に虫ピンを刺す。幼虫を引伸ばして尾脚部に虫ピンを斜めに刺す。
虫ピンを真っ直ぐ刺すと解剖しにくい。
3.解剖皿にたっぷり水(水道水で大丈夫)を入れる。
4.解剖ハサミ(メス)で縦に腹(または背)の皮を切る。
5.皮を広げ、四隅を虫ピンでとめる。
昆虫の生物学/玉川大学出版部p65改変
左右1対ある絹糸腺(絹糸を生成する器官)
吐糸孔 フィリッピ腺 中部糸腺 後部糸腺
キチン質 前部糸腺
6.中部絹糸腺を取りだし、3%酢酸に1〜10分浸漬する。長く漬けていると硬く脆くなるので、注意する。
7.液から取り出し、腺を引き延ばす。
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