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用語 |
読み |
英題 |
解説 |
あ |
厚飼 |
あつがい |
dense rearing |
一定面積に収容する蚕の頭数を、標準的な飼育量よりも多くして飼うこと。薄飼に対していう。 |
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後染 |
あとぞめ |
piece dyeing |
〔別名〕布染、反染。先染に対する語で、編物や織物にしてから染めることをいう。 |
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後練 |
あとねり |
gray goods degumming |
先練に対する語で、セシリンのついた原糸を用いて製編織した後に精錬することをいう。羽二重(はぶたえ)・縮緬(ちりめん) |
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亜熱帯養蚕 |
あねったいようさん |
subtropical sericulture |
亜熱帯圏で行われる養蚕。桑樹はおおむね常緑である。多回育が容易で春蚕、秋蚕などの蚕期の呼称は適用しにくい。 |
い |
育蚕 |
いくさん |
silkworm rearing |
蚕を育てる(飼う)ことをさし、飼育から上蔟・収繭までの過程をいう。 |
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育種 |
いくしゅ |
breeding |
〔別名〕品種改良、品種育成。生物の遺伝的性質を人間が希望するように人為的に変える操作。多くは品種改良または品種育成と同義語として使用されているが、品種に限らず新種の育成や新作物の導入訓致も含むので、厳密には区別があるとする考え方もある。蚕の育種は古く、官民一体で精力的に進められていた。 |
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いさ |
いさ |
litter |
[別名]蚕沙、蚕渣、こした。蚕の食い残した桑の葉やフンなどの混じったもの。肥料や家畜の餌として利用できる。 |
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一次製品 |
いちじせいひん |
primary processed |
最初に生産された加工品。(完成品、半製品)をいう。養蚕でいえば絹糸・絹織物である。 |
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一代雑種 |
いちだいざっしゅ |
F1 hybrid |
雑種第一代に雑種強勢が最も強く現れることを利用するため、F1を用いた一代限りの交雑種。一代雑種は組合せ法から、品種間交雑、自殖系統間交雑、品種系統間交雑に分けられる。 |
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一段(飼)育 |
いちだん(し)いく |
floor rearing |
蚕座をすべて一段に設置した飼育形式。二、三段育に比べてあらゆる育蚕作業がしやすい。 |
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一段厚飼 |
いちだんあつがい |
floor dense-rearing |
育蚕作業能率の向上をねらいとして一段育を行い、条桑育蚕座の立体性を利用して厚飼にすること。 |
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1L重量 |
いちりっとるじゅうりょう |
weight of cocoons per liter |
繭1リットルの重量であって、1リットル粒量とともに繭の大きさと重さの基準の1つをいう。 |
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1L粒数 |
いちりっとるりゅうすう |
number of cocoons per liter |
繭1リットルの粒数であって繭の大きさの基準の1つをいう。 |
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一化性 |
いっかせい |
univoltine |
自然状態で1年に1回だけ孵化する性質をいう。蚕は一化性、二化性、多化性などがある。 |
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一週間養蚕 |
いっしゅうかんようさん |
one week sericulture |
広食性蚕品種の育成と低コスト人工飼料の開発に伴い、1齢から4齢までを人工飼料で共同飼育し、5齢の約1週間を農家が桑で飼育する養蚕形態をいう。 |
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一斉上蔟 |
いっせいじょうぞく |
simultaneous mounting |
蚕が大部分熟蚕となった頃、その集団全部の蚕を一斉に上蔟させる法をいう。 |
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移動蚕架 |
いどうさんか |
movable rearing stand |
自由に移動させることができる蚕架。固定蚕架に対していう。 |
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糸繭 |
いとまゆ |
cocoon for silk reeling |
製糸原料(主として生糸用)として生産された繭で、種繭に対する語。 |
う |
羽化 |
うか |
eclosion |
完全変態(かんぜんへんたい)では蛹(さなぎ)から、不完全変態では幼虫から翅(はね)が生えた成虫になること。 |
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薄皮繭 |
うすかわまゆ |
thin-shelled cocoon |
繭層が全体的に著しく薄い繭で、作柄不良の場合に多くできる。製糸原料繭としては不適当である。 |
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畦幅 |
うねはば |
row width |
作条の間隔をいい、1本植・株植の場合、個体・株間隔の広い方を畦幅と呼ぶ。栽植の密度は(畦間×株間)のように表わす。 |
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畦間 |
うねま |
inter-ridge distance |
隣りあった畦と畦の間、あるいはその距離。これに対し一つの畦の中で隣りあった株と株との間、あるいはその距離を株間という。 |
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裏作 |
うらさく |
second crop |
冬季の作付、あるいは同一圃場での主要季節・主要作物以外の栽培を呼び、たとえば水稲に対する冬季の麦を裏作という。 |
え |
営繭 |
えいけん |
cocooning |
蚕が繭をつくることをいう。 |
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エクジソン
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えくじそん |
ecdysone |
昆虫や甲殻類の脱皮に関与するホルモンである。詳細は別項目として記載されているので,その項を参照されたし。 |
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燕口期 |
えんこうき |
"Enko"stage |
春の桑の発芽期の第2段階、脱ぽう期と第1開葉期の間。燕の雛がくちばしを開いたような形からこの呼称がある。 |
お |
追掃 |
おいばき |
additional rearing |
同一蚕期に第1回の掃立を行った後に、引き続いて掃立てを行うことをいい、主として同一蚕期に労働ピークを緩和するために行われる。 |
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欧州種 |
おうしゅうしゅ |
european race |
〔別名〕ヨーロッパ種。中央アジアからヨーロッパ大陸にかけての在来の品種およびこれらから改良された品種の総称。経過日数が長く、繭重は重い。繭は縊れの浅い俵形で、肉色繭と白繭のものが多い。一化性。 |
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横列給桑 |
おうれつきゅうそう |
widith-wise supplying shoots |
〔別名〕橋かけ給桑、横置き給桑、横給桑。条桑育において蚕座の短い辺に平行して条桑を給与する方法。縦列給桑に対する言葉。 |
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大部屋方式 |
おおべやほうしき |
mass rearing in a large room |
小部屋方式に対していう。大きな蚕室を間仕切りせずに、広い状態で稚蚕を飼育する形式をいう。天竜育、空気調和棚飼方式、機械育などがある。 |
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屋外育 |
おくがいいく |
outdoor rearing |
屋外の仮設の簡易施設または露天で飼育する方法の総称。 |
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屋外条桑育 |
おくがいじょうそういく |
outdoor shoot rearing |
住宅以外のテントやバラックなどの簡易な飼育施設または露天で行う条桑育の総称。屋内条桑育に対する言葉。 |
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晩生 |
おくて |
late budding variety |
〔別名〕晩生桑、晩生品種、晩生(ばんせい、おくて)。春の発芽の遅い品種。たとえば、十文字、赤木、島ノ内など。 |
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屋内育 |
おくないいく |
indoor rearing |
仮設の簡易施設ではなく、居宅やいわゆる蚕室(本建築)で飼育する方法をいう。 |
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汚染繭 |
おせんまゆ |
soiled(stainde) cocoon |
病死した蚕や負傷した蛹、蚕尿などのために繭層が汚れた繭。繭層の内面が汚れたものを内部汚染繭。表面が汚れたものを外部汚染繭という。 |
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晩掃 |
おそばき |
behind rearing in the season |
本来は春蚕期の掃立適期よりも遅く掃立てることを意味したが、これが転じて、各蚕期において遅く掃立てることにも用いられるようになった。早掃(はやばき)に対する言葉。 |
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オゾン層 |
おぞんそう |
ozone layer |
地表から10km~25kmのオゾン濃度(のうど)の高い領域のこと。オゾン(O3)とは酸素原子(O)が3つ結合したもので、酸素分子(O2)が紫外線の影響(えいきょう)を受けて変化したもの。地球上の生物にとって有害な紫外線(しがいせん)の大部分をこのオゾン層でさえぎっている。高度分布(こうどぶんぷ)や濃度は季節により変化している。 |
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オペロン説
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おぺろんせつ |
operon theory |
DNAからRNAへの転写を調節するリプレッサー(特定の遺伝子発現を抑制する蛋白質)やオペレーター(調節たんぱく質)を含む一連の遺伝子セット。1961年にジャコブとモノーらが提唱したものである。有名なオペロンとしては,大腸菌のラクトース・オペロンがある。このオペロンは,ラクトース分解に必要なガラクトシダーゼ,透過酵素,アセチル基転移酵素の遺伝子が同一のプロモーターから転写され,3酵素が同調的に誘導される。しかし,リプレッサー蛋白質がオペレーターに結合するとそれ以後の転写が中止され,3つの酵素が同時に生産されなくなる。 |
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お召 |
おめし |
"omesi"(degumed silk crepe) |
たて・よこ糸に練染糸を使用し、よこ糸に通称お召よこと称するS・Z強ねん糸を2本交互に使用した着尺用小幅織物またはこれに類似の織物。徳川11代将軍家斉が好んで着用したことからこの名がある。 |
か |
買桑 |
かいぐわ |
purchasing mulberry leaves |
自家養蚕の維持もしくは拡大のため、他より桑葉を購入すること。気象などの自然災害による応急的なものと、経営的考慮によるものとがある。桑葉の売買に当っては、農協その他の公的機関、製糸会社などの斡旋によるものが多く、その他個人間売買や桑問屋経由などがある。遊休桑園の増加に伴い、これを養蚕規模拡大に結びつけるために、組織的、計画的な方法による桑葉購入利用の諸形態がみられる。 |
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蚕 |
かいこ |
silkworm |
鱗翅目カイコガ科に属し、和名カイコガという。昔から屋内で飼育され、その繭より生糸をとり絹となる。桑蚕や野蚕に対して家蚕という。 |
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解舒 |
かいじょ |
reelability(of cocoon) |
繰糸を行う際に繭層から繭糸が解離される状態のことをいい、糸のほぐれやすさを示す。 |
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改植 |
かいしょく |
replantation |
古い株を掘りとったあとに桑苗を植え、再び桑園をつくることで、また品種を更新するためなどに桑を植えかえることもある。 |
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解舒糸長 |
かいじょしちょう |
length of non-broken cocoon filament |
1回の接緒によって繰糸される繭糸の平均の長さで、繰糸中の接緒回数と平均粒付け数とを調査し、繰糸機に取付けた糸長計で生糸糸長を測定して算出する。 |
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解舒糸量 |
かいじょしりょう |
weight of non-broken cocoon filament |
1回の接緒によって繰糸される平均繭糸量のことで、繰糸された糸量を接緒回数で除して求める。 |
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解舒率 |
かいじょりつ |
reelability percentage |
繭糸が繰糸の途中で切断した回数の多少を表すもので、一定粒数の繰糸を行った際の接緒回数で繰糸粒数を除し100を乗じて求める。1粒あたりの平均落緒回数の逆数に100を乗じたものに等しい。 |
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回転蔟
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かいてんまぶし |
rotatory cocooning frame |
区画蔟の一種。区画された空間に1個の繭がつくれるように、ボール紙を井げた状に組んで作ったまぶし。10個の区画蔟を1つの枠内に組み立てる。これに熟蚕をはい上がらせたのち枠を吊るすと、熟蚕分布の片寄りにより自動的に回転し、熟蚕の上昇運動の習性を利用して平均的に営繭させる。上蔟蚕数は、回転蔟の穴数の80%が目安である。 |
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外部汚染繭 |
がいぶおせんけん |
outside-stained cocoon(externally stained cocoon) |
繭層の表面が病蚕の体液や蚕尿によって汚された繭。製糸工程において繰糸能率を低下させ、生糸の色相を害する原因となる。繭検定では汚染濃度の濃いもの、濃度が薄くても表面積の1/3以上が汚染されているものは選除繭となる。 |
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改良蔟 |
かいりょうまぶし |
improved straw cocooning frame |
山型のまぶしの一種。普通はわらまたはわらと竹を用いてつくる。横山蔟・日の本蔟・寺田蔟・繩蔟などがその主なものである。折わらまぶしに対していう。 |
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化学繊維 |
かがくせんい |
chemical fiber |
天然繊維に対応する語で、人工的につくられた繊維の総称。レーヨン、アセテート、ナイロン、ポリエステルなどである。 |
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化学肥料 |
かがくひりょう |
chemical fertilizer |
化学工場製品として製造された肥料をいう。硫安・過燐酸石灰・塩化加里等の単品肥料、N・P・Kを適宜配分した化学肥料、肥効速度を調節した緩効性肥料等がある。 |
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家業 |
かぎょう |
business for family(businees for livelihood) |
一家の職業のこと。代々世襲で引きついでいる職業。また、家族の生活費を稼ぐための仕事という意味もある。養蚕も家業の一つである。 |
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隔畦収穫 |
かくけいしゅうかく |
harvest in alternate row |
桑園を1畦おきに春切畦と夏切畦にし、年ごとに畦を変えて収穫する法で、春切をまじえることにより樹勢の維持がはかられる。また1畦おきに摘葉または伐採収穫を行い、数日後に残りの畦の収穫をする場合も隔畦収穫ということもある。 |
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拡座 |
かくざ |
spacing |
蚕の発育に伴って、蚕座を広げること。同じ蚕箔または同じ飼育区画内で広げるのを拡座、異なる蚕箔または飼育場所に移して広げるのを分箔(ぶんぱく)という。 |
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格付 |
かくづけ |
classification |
一定の標準と比較した商品の品位の評定のことで、蚕糸関係では繭と生糸について行われている。 |
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夏蚕期 |
かさんき |
summer rearing season |
春蚕期と初秋蚕期との間に掃立てる蚕期をいう。おおむね6月中旬から7月上旬に掃立てる蚕。 |
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家蚕繭 |
かさんけん |
silkworm cocoon |
家蚕が吐糸営繭した繭。普通、単に繭といえば家蚕繭のことをいう。 |
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夏秋蚕 |
かしゅうさん |
summer and autumn rearing |
春蚕に対して夏蚕・初秋蚕・晩秋蚕の総称。 |
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夏秋蚕種 |
かしゅうさんしゅ |
egg for summer and autumn rearing |
夏秋蚕期に飼育するための蚕種をいう。 |
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夏秋蚕専用桑園 |
かしゅうさんせんようそうえん |
mulberry field for summer-autumn rearing |
蚕期による桑園の用途区分の1つ。主として夏秋蚕に収穫する桑園。春切した後に成長した桑を夏秋蚕に供する。 |
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過熟蚕 |
かじゅくさん |
overmatured(overripen) silkworm |
上蔟適期を過ぎた蚕。過熟蚕は上蔟作業に手間がかかるし、繭質悪化の原因ともなる。未熟蚕に対する言葉。 |
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化性 |
かせい |
voltinism |
昆虫が自然状態で1年間に何世代繰返すかという性質。蚕では一化性・二化性・多化性などがある。 |
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化成肥料 |
かせいひりょう |
compound fertilizer |
複合肥料のうち肥料または肥料原料に科学的操作を加えて製造し、肥料3要素のうち2要素以上を含んでいる肥料。配合肥料に対する言葉。 |
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寡占 |
かせん |
oligopoly |
少数者間の競争をいう。特に少数の大企業が市場の大部分を支配する形態を指す。 |
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家族 |
かぞく |
family |
夫婦関係を基礎にしてそこから親子関係や兄弟姉妹の関係を派生させるかたちで成立してくる親族関係者の小集団をいう。 |
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家畜 |
かちく |
livestock |
人間に飼われてよくなれ、その保護のもとで、繁殖・改良がおこなわれ、人間の生活上有用な動物の総称。 |
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家畜単位 |
かちくたんい |
livestock unit |
種類の違う家畜間の経済的数量を比較する場合に用いられ、大家畜を1とし、わが国では一般に次のような比率が用いられる。馬1=牛1=豚5=めん羊10=山羊10=うさぎ50=家禽100。 |
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株直し |
かぶなおし |
cutting back |
桑の剪定法。主に夏切桑園から条桑収穫(春蚕・夏蚕)を行ったあとで、枝条の根元で切り直し、株の形を整える作業のこと。 |
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株間 |
かぶま |
intrarow spacing |
隣の株とのあいだのこと。植付の距離を表す場合、作条のあいだの距離を畦幅、株の間の距離を株間という。 |
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化蛹 |
かよう |
pupation |
〔別名〕蛹化。幼虫から蛹に変態すること。蚕は上蔟後4~5日で蛹になる。 |
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化蛹歩合 |
かようぶあい |
pupation rate,percentage of pupation |
掃立蚕数または基本蚕数(例えば4齢起蚕を基本蚕数とする)に対する化蛹総数の割合。蚕の健康度の一表示法。 |
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乾繭 |
かんけん |
cocoon drying,dried cocoon |
〔別名〕繭乾燥。長期貯蔵に耐えられるように繭を乾燥すること。または乾燥された繭。製糸原料繭のほとんどは熱風式の乾繭機によって、空気温度120℃前後から60℃前後に至る変温乾燥が5~6時間で行われる。 |
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乾繭取引所 |
かんけんとりひきじょ |
dried cocoon exchange |
生糸取引所の場合と同じく商品取引法によって設立されたもので、乾繭の売買取引を行うところ。豊橋市と前橋市に設置されていた。 |
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間作 |
かんさく |
inter-cropping |
ある作物の生育中に、畦間などに他の作物を栽培することをいう。 |
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間作栽培 |
かんさくさいばい |
catch cropping |
樹園地において主作物である木本性作物の間に草本性作物を栽培する状態をいう。冬季間遊休化することから。ほうれん草、小松菜などの軟弱野菜を間作し産地化しているところがある。 |
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完成桑園 |
かんせいそうえん |
completed mulberry field |
桑苗を植えてから4~5年経過し一人前になった桑園。この頃までに樹形が整い、ある程度の収量に達し収益があがる。ただし、密植桑園では3~4年で完成桑園となる。未成桑園に対していう。 |
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カンブリア紀 |
かんぶりあき |
cambrian period |
古生代はじめの約5億5千万年から5億年前の地球の年代で、生物はまだ海の中にしか存在していなかったといわれている。カンブリア紀の海では多くの生物たちが爆発的(ばくはつてき)な進化をとげた。 |
き |
生糸 |
きいと |
raw silk |
家蚕の繭糸を何本か抱合させて1本の糸条にしたもので、まだ加ねん、精錬などの加工を施していないもの。広義には玉糸も含まれる。 |
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生糸(量)歩合 |
きいと(りょう)ぶあい |
raw silk percentage(of cocoon) |
〔別名〕糸歩(いとぶ)。繭から得られる生糸量の重量割合、生繭重を基準にして算出する場合が多い。 |
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生糸検査 |
きいとけんさ |
raw silk testing |
生糸および玉糸の品位と正量とを検査すること。品位検査(織度、糸むら、節、強力・伸度、抱合その他)と正量検査(重量、水分率)の2つに大別される。 |
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生糸検査所 |
きいとけんさじょ |
silk conditioning house |
生糸、玉糸、繭短繊維などの取引の円滑公正をはかるために、それらの品位や正量を検査し、品位の等級や数量を定めて検査証を発行していた機関。 |
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生糸市場 |
きいとしじょう |
raw silk market |
生糸が売買取引される特定の施設、場所を意味する具体的な場合と、生糸の需要と供給との間に存在する交換関係の範囲という抽象的な意味の場合とがある。後者の場合、例えば生糸の国内市場、国際市場などといわれ、また生糸の海外市場というときは、販路とほぼ同じ意味で使われる。 |
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生糸需給 |
きいとじゅきゅう |
raw silk situation |
生糸の需要と供給のことで、需給系統としては生糸の生産、輸出入、在庫および国内消費の数量(月間)が、農林水産省および通産省より発表される。 |
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生糸生産費 |
きいとせいさんひ |
cost of raw silk |
繭糸価格安定法施行令では、繭の生産費の値に生糸の製造および販売に要する費用の値を加えた額をいう。毎生糸年度に適用される生糸生産費は、繭生産費、繭取扱手数料および生糸製造販売費の合計でもって算出され、生糸の安定帯価格算出にとって最も重要な基準をなすものである。 |
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生糸製造販売費 |
きいとせいぞうはんばいひ |
manufacturing and selling cost of raw silk |
生糸製造に必要な材料費(購繭費、乾繭費など原料繭副費、燃料費などを含む)、労務費(給料など)、経費(福利厚生費、租税課金、減価償却費など)、一般管理販売費および資本利子の合計費から副収入(屑物類の販売)を差引いた費用。生糸1kg当たりで算出する。 |
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生糸相場 |
きいとそうば |
raw silk quotation |
生糸の時価、市価のこと。現物の取引きをせず、市価の上下によって行う投機的取引きのこともいう。現物相場(spot quotation)と先物相場(future quotation)とがある。 |
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生糸年度 |
きいとねんど |
silk year |
生糸の需給に関連して用いられる年度で、当年の6月1日から翌年の5月31日に至る期間をいい、当年の年号をつけてよぶ。これは新繭の出廻りが6月に始まることにもとづいている。 |
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機械化 |
きかいか |
mechanization |
労働手段に機械を導入することをいう。 |
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機械生糸 |
きかいきいと |
machine feeded raw silk |
〔別名〕器械生糸。器械製糸において繰糸された生糸。座繰製糸にたいする言葉。 |
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器械製糸 |
きかいせいし |
machine filature |
〔別名〕機械製糸。明治初年ヨーロッパより輸入された蒸気などを用いた繰糸法、またはそれを改良した繰糸法による製糸をいう。座繰製糸に対する言葉。 |
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起蚕 |
きさん |
newly exuviated silkworm(larva),silkworm immediately after ecdysis |
眠から起きた蚕。脱皮を終えた蚕。普通蚕品種では4回起蚕となり、上蔟する。 |
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蟻蚕 |
ぎさん |
newly hatched larvae |
毛蚕(けご)ともいう。孵化当時のカイコ。一般の品種は黒色であるが、赤色や白色もある。 |
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着尺 |
きじゃく |
fabric |
着物用の織物。普通幅36cm(鯨9寸5分)内外。長さ11.5~12m(鯨30尺)内外を1反とし、着物1枚分になる。 |
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起除 |
きじょ |
bed-cleaning after molting |
蚕が起きてから1~2回桑を与えた頃に、はじめて蚕沙を取り除くことをいう。 |
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擬態 |
ぎたい |
mimesis |
からだを岩や木の枝といった環境(かんきょう)の一部に似せて、昆虫を餌(えさ)としている鳥や小動物などの外敵から見つかりにくくすること。枯れ葉そっくりのカレハガや小枝の形をしたナナフシ。鳥のフンにみえるアゲハの幼虫などがある。またスズメバチのまねをするトラカミキリなど、毒や危険な針を持つ虫に擬態する虫もいる。 |
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絹 |
きぬ |
silk |
蚕によってつくられた繊維および製品の総称。繭糸、生糸、玉糸、副蚕糸、より糸、練糸、絹紡糸、真綿、およびこれらからつくられる織物、編物などのすべてを含む。 |
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絹織物 |
きぬおりもの |
silk fabric |
主として絹糸を使用した織物。生糸、玉糸等の絹製糸、絹紡糸、絹紡紬糸、つむぎ糸および野蚕糸などを原料としたものをいう。 |
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絹繊維 |
きぬせんい |
silk fiber |
蚕がつくった繊維をセリシンの有無にかかわらず単繊維としてみたときの呼び方。従って、絹繊維はその集合のさせ方により生糸、織物、編物、縫糸、ししゅう糸、真綿などとなる。
なお、セリシン(sericin)は絹繊維の外側にあって、フィブロイン繊維を包んでいる蛋白質であり、フィブロイン(fibroin)は絹繊維の主体をなしている蛋白質である。 |
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基部伐採 |
きぶばっさい |
cutting at the base of branch |
収穫あるいは剪定を目的とし、枝条を基部から伐採する方法。中間伐採に対していう。 |
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休閑地 |
きゅうかんち |
fallow land |
面積調査では、耕作しない状態が2か年未満の場合は休閑地とし、耕地に含む。ただし、調査現場における聞き取り、また、その地方の耕作慣習などから判断して、明らかに休閑地ではなく耕作放棄であると判断される場合は、2か年未満であっても耕作放棄として取り扱う。 |
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給桑 |
きゅうそう |
feeding,leaf-supplying |
蚕に桑を与えること。1日に与える回数は飼育方法や時期によって異なるが、一般には、稚蚕(1~3齢)は2~3回、壮蚕期(4~5齢)は3回程度である。給桑かご(basket for feeding leaves)、給桑回数(number of feeds a day)、給桑量(amount of supplied leaves)。 |
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給桑台車 |
きゅうそうだいしゃ |
feeding truck |
簡易条給桑育装置上にセットして用いる。平らな表面を持つ四輪のトロッコ様台車。通常100kg前後の条桑を積載して、人力により走行させながら給桑作業を行う。 |
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給桑リフト |
きゅうそうりふと |
crane |
〔別名〕配桑リフト。飼育室の天井にガイドレールを設け、それから吊した船形の受台で、条桑束をこれにのせて人力で移動させながら給桑作業を行う。 |
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強健性 |
きょうけんせい |
healthiness |
蚕の性質の1つで、生理作用が旺盛で環境適応性、耐病性などがすぐれている性質またはその程度をいう。 |
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きょう蛆
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きょうそ |
fly maggot |
カイコノウジバエが寄生して起こる病気を,きょう蛆病という。カイコノウジバエは,双翅目ヤドリバエ科に属し,蚕の体内に寄生する。年1回の発生で,春の時期に被害が見られる。寄生された蚕は蛹までに死亡するため,蚕の卵を製造する会社(蚕種製造会社)では打撃を受ける。また,蛆が脱出した繭は商品価値がなくなるので,これも被害が大きいといえる。 |
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共同飼育費 |
きょうどうしいくひ |
co-operatine silkworm raising cost |
共同桑園、共同施設、稚蚕共同飼育料などの負担金をいう。
なお、分担金を桑葉、諸材料や出役労働などの現物で支払った場合も評価し、費用として計上している。 |
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共同防除 |
きょうどうぼうじょ |
cooperative pest control |
病害虫が広域的に発生または発生のおそれがある場合、その地域集団が防除の時期および方法などを決定して行う防除をいう。 |
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喬木 |
きょうぼく |
arbor,tree |
〔別名〕高木。丈の高い樹木。桑を自然形に仕立てることを喬木仕立ともいう。かつて、山間部や積雪地帯などでみられたが、現在はほとんど利用されていない。 |
く |
空中散布 |
くうちゅうさんぷ |
aerial application |
〔別名〕航空機散布、航空散布、ヘリコプター散布。農薬および肥料等を飛行機またはヘリコプター等の航空機で空中から散布すること。桑園ではクワシントメタマバエ、クワノメイガおよびヒシモンヨコバイ等の防除のために農薬の空中散布が行われたことがある。 |
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屑繭 |
くずまゆ |
spoiled cocoon |
〔別名〕下繭(げけん)。選除繭のうち、座ぐりや玉糸製糸の原料にもならない繭。選除繭は普通繭(上繭)に対する言葉で、中・下繭に当たるが、屑繭はそのうち下繭にあたる。農家では蔟から収繭したものについて下繭(inferior cocoon)という場合には、極端な薄皮繭やびしょ繭を含むこともある。 |
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組合製糸 |
くみあいせいし |
cooperative filatura |
主として農業協同組合が経営する製糸。組合員である養蚕農家が供出した繭に製糸加工をし、製品を販売して代金を分配する。 |
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グリシン |
ぐりしん |
glycine |
アミノ酸の一種で、ゼラチンやカイコの繭(まゆ)などにたくさんふくまれている。このグリシンが植物にあるポリフェノールと結びつくことでポリフェノールの昆虫への害作用を妨害している。 |
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クレープ |
くれーぷ |
crepe |
〔別名〕ちりめん、縮緬。強ねん糸を使用して布面にしぼを現した縮み織物のこと。またちりめん類の総称であるが、わが国では片しぼの縮緬をクレープとよぶことがある。 |
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桑 |
くわ |
mulberry |
クワは桑科中の桑属に属し、温帯および亜熱帯に広く分布する落葉喬木または灌木で、葉は広葉で葉縁には鋸歯があり互生する。 |
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桑株 |
くわかぶ |
mulberry stump |
桑樹の刈株、すなわち拳状の樹幹部から毎年枝を刈り取る部分。ほかに桑樹個体を表わす場合もある。 |
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クワコ(桑蚕) |
くわこ |
mulberry wild silkworm |
鱗翅目カイコガ科に属する。カイコ近縁の野生種の昆虫をいう。育種素材(遺伝資源)として利用している。 |
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桑扱機 |
くわこきき |
leaf hackler |
枝条から新梢または葉を離脱させる機械をいう。 |
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桑栽培面積 |
くわさいばいめんせき |
growing area of mulberry |
桑葉を収穫する目的で桑を栽培している土地の利用面積をいう。ただし、肥培管理を行わない山桑等は、桑葉の収穫を行っても含めない。 |
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桑付 |
くわつけ |
fiest feeding(after molting) |
〔別名〕餉食(しょうしょく)。眠から起きた蚕に、初めて桑を与えることをいう。 |
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桑止め |
くわどめ |
last feeding |
〔別名〕停食。眠前の最後の給桑のことをいう。 |
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桑苗 |
くわなえ |
mulberry sapling |
桑の苗木。桑苗の作り方には接木法(つぎき)、代出法(しろだし)、取木(とりき)、挿木法(さしき)などがある。 |
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傾斜地桑園 |
けいしゃちそうえん |
mulberry field on slope land |
傾斜地に設けられた桑園で、傾斜度により急傾斜地桑園、緩傾斜地桑園などとよばれる。桑園の生産能率を上げるためには、傾斜度15度以下が望ましい。 |
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結繭 |
けつけん |
cocooning |
蚕が繭をつくった(かけた)こと。熟蚕を上蔟すると、最初に足場となる繭綿(毛羽)を作って次第に繭を作り始める。上蔟後吐糸終了までの時間は蚕品種、熟蚕の熟度によって差があるが、23℃で60時間、25℃で50時間前後である。 |
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結束 |
けっそく |
tying of branches |
伐採収穫した枝条を束ねること。解束に対していう。 |
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毛羽 |
けば |
floss(of cocoon) |
〔別名〕繭綿(けんめん)、繭毛羽。蚕が繭を作るときに、最初に吐き出す糸。繭層の外側をおおっている真綿のような繭糸で収繭後、取り除く。絹糸紡績の原料になる。毛羽の量は蚕品種や蔟の構造によって差異があり、おおむね繭層重の1~2%である。 |
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毛羽取機 |
けばとりき |
remover of cocoon floss |
〔別名〕繭毛羽取機。繭の周囲に付着している毛羽を取り除く機械。 |
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毛振るい |
けぶるい |
"Keburui" |
〔別名〕毛振り。蟻蚕は急速に成長して、体の表面がのびる。そのために、掃立ててから1~2日すると、皮膚は緊張しはじめて体色は淡くなり、毛がなくなったように見えてくることをいう。 |
け |
繭価 |
けんか |
prices of cocoon |
繭の値段で金額または掛目で表わす。繭価には基準繭価と実勢繭価とがある。 |
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原価 |
げんか |
cost |
経営がある特定の目標を達成するために実際に犠牲となった、あるいは犠牲とならざるをえない経営の諸資金を貨幣価値で換算したものをいう。 |
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兼業農家 |
けんぎょうのうか |
side-work farmer |
家族員のうち、1人でも他産業に従事する者がいる農家をいう。農水省の規定では、家族員に年間30日以上他産業に従事するか、あるいは5万円以上の売り上げをもつ他産業自営業に従事するものがいる場合を兼業農家としている。 |
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現行蚕品種 |
げんこうさんひんしゅ |
commercial race |
現在農家で飼育されている交雑種。これらはすべて指定組合せ型式によるものである。 |
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原蚕飼育 |
げんさんしいく |
rearing of parent silkworms(for hybridization) |
〔別名〕種繭養蚕。普通蚕種製造のために原蚕を飼育すること。一般に交雑種に比べて飼育がむずかしい。 |
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原蚕種 |
げんさんしゅ |
parent eggs of F1 hybrid |
一代交雑種を製造する時に用いる蚕種。 |
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原蚕種製造所 |
げんさんしゅせいぞうしょ |
station for the reproductive silkworm egg |
原々蚕種または原蚕種を製造する所をいう。 |
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減蚕歩合 |
げんさんぶあい |
percentage of missing larvae |
病死または遺失などによって減った蚕の減りぐあい。%をもって示す。 |
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繭糸 |
けんし |
cocoon filament,bave |
〔別名〕繭繊維。繭層を構成する糸条、または繭層から繰り取られた1本の糸条のことで、その集合体としての生糸や、加工された絹糸と区別していう。 |
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絹糸 |
けんし |
silk yarn |
生糸または副蚕糸の紡績または加ねんなどの加工を施したもの、ならびにそれらを精錬したもので、絹紡糸・絹ねん糸・絹縫糸・絹編糸・絹ししゅう糸などを総称していう。広義には生糸も含まれる。 |
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繭糸価格安定制度 |
けんしかかくあんていせいど |
cocoon and silk price stabilization system |
繭糸価格安定法に基づき、蚕糸砂糖類価格安定事業団の売買操作等を通じて、生糸及び繭の価格の安定を図る制度である。需要操作の目標価格として安定基準価格及び安定上位価格が定められ、この間に生糸価格が落ち着くように蚕糸砂糖類価格安定事業団による生糸の一定量数の買い入れ、売り渡しが行われる。 |
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拳式仕立 |
けんしきしたて |
training with fist-shaped stump |
枝を伐採する際に枝の基部から短く切り取り、主に潜伏芽を発芽伸長させる仕立法で、切株は拳状になり、株高はぼぼ一定して高くならない。無拳状仕立に対していう。 |
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絹糸腺 |
けんしせん |
silkgland |
絹蛋白質を合成・分泌する分泌腺で1対の絹糸腺が口部で合一する。前部・中部・後部と分れ、それぞれの機能を異にする。これにより体内の過剰アミノ酸の排出および脱水を行うと考えられている。 |
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繭糸繊度 |
けんしせんど |
size of cocoon filament |
繭糸の繊度。一般には平均繊度のことをいい、太さを示す。繰糸した生糸糸長、生糸量、定粒繰糸中の粒付数、または定繊度繰糸中の平均粒付数などから算出される。単位はデニール。 |
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繭糸長 |
けんしちょう |
length of cocoon filament |
1粒の繭から繰られる繭糸の長さ(m)。1粒繰その他の繰糸試験によって測定する。 |
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繭質 |
けんしつ |
cocoon quality |
広義には繭の形質のことであるが、一般には製糸原料としての繭の価値に関する諸形質(解舒、生糸量歩合、生糸品位など)をいう。 |
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原種 |
げんしゅ |
original(=parent) strain |
交雑種の親となる系統。交雑種に対していう。 |
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繭重 |
けんじゅう |
cocoon weight |
〔別名〕全繭重。生繭(なままゆ)1個の重さ。gをもって示すことが多い。 |
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繭糸量 |
けんしりょう |
weight of cocoon filament |
1粒の繭から繰られる糸繭の重量。cg(センチグラム)1/10gで表わす。 |
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繭層 |
けんそう |
cocoon shell(layer) |
熟蚕は吐糸をして繭を作り、その中で蛹になるが、その繭の糸の層。蚕には営繭に際してまず足場を作り、その中にS字形または8字形に糸を吐きながら繭層を形成するが、糸は連続的に周囲に対してむらなく吐かれるので、繭層は比較的ち密な層状構造をなしている。繭殻ともいう。 |
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繭層重 |
けんそうじゅう |
cocoon shell weight |
繭の繭層の重量のことで、1粒あたりの重量で表わす場合が多い、cgで示す。 |
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繭層歩合 |
けんそうぶあい |
percentage of cocoon shell weight |
〔別名〕切歩(きりぶ)。繭重に対する繭層重の割合を100分比で表わしたもので、生繭重をもとに計算される場合が多い。 |
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繭中斃蚕 |
けんちゅうへいさん |
dead silkworm in cocoon |
繭の中で死んでいる蚕。しにごもりともいう。繭の中で、幼虫や蛹の死体が腐った場合や、傷ついて体液が出たときにできるのが内部汚染繭である。これは作柄不良のときや収繭が早すぎる場合に出易い。 |
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健蛹歩合 |
けんようぶあい |
survival rate of pupae |
化蛹歩合と同様、掃立蚕数または基本蚕数に対する健蛹数の割合、蚕の健康度の表示法の1つとして用いられる。普通繭に対する健蛹数の割合をいう。種繭の取引にあたって重視される。 |
こ |
光合成 |
こうごうせい |
photosynthesis |
緑色植物や植物性プランクトンが太陽光を用いて水分と二酸化炭素から糖類などの炭水化物と酸素を合成すること。光合成によって得たエネルギーを使って植物は育ち、動物はその植物を食べることによって必要な栄養を得ている。 |
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交雑種 |
こうざつしゅ |
hybrid |
交雑により得られた雑種集団。交雑に用いられる親品種の数により単交雑種・逆交雑種・複交雑種・多元交雑種などに分けられる。 |
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広食性 |
こうしょくせい |
polyphagy |
〔別名〕多食性。動物が摂取する食物の選択範囲が広い性質をもつこと。 |
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広食性蚕品種 |
こうしょくせいさんひんしゅ |
polyphagous-silkwrom race |
蚕の変異系統が持つ広食性遺伝子を利用し、家畜用飼料原料を中心として作った人工飼料でもよく食べ、普通蚕品種と同程度の繭を作るように改良した新しい蚕品種(あさぎりなど)をいう |
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合成飼料 |
ごうせいしりょう |
synthetic(chemically defined)diet |
人工飼料のうち、配合される栄養物質が化学的に既知の物質のみよりなる場合に合成飼料と呼んでいる。 |
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口吻 |
こうふん |
proboscis |
花の蜜(みつ)や樹液など液状の餌(えさ)をたべる虫の口でセミ、カメムシなどがこの口。チョウやガのものは特に長く、ふだんはうずのように巻き込んでいるが、餌を見つけると口吻をストローのようにのばして吸う。とくにスズメガのなかまは長い口吻を持ち、エビガラスズメの口吻は日本最長で10cm近くある。 |
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国蝶 |
こくちょう |
national buttefly |
オオムラサキは昔から美しいチョウとして親しまれ日本を代表するチョウとして国蝶にされている。 |
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国用生糸 |
こくようきいと |
raw silk for domestic use |
本来輸出生糸に対する語で、品質のやや劣る生糸のことを言うが、生糸検査の上からも輸出、国用の区別が撤廃された現在、名義的意図は失われている。 |
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国用製糸 |
こくようせいし |
filature for domestic use |
国用生糸を造る製糸をいう。 |
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固形肥料 |
こけいひりょう |
solid fertilizer |
硫安・過りん酸石灰・カリ塩を主原料とし、これに泥炭を加えて混合したのちに豆炭状または粒状に固めた特殊配合肥料。 |
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古生代シルル紀 |
こせいだい しるるき |
silurian period |
古生代とは約5億5千万年から2億5千万年前の年代で、シルル紀は古生代前期の約4億4千万年から4億年前の年代のこと。多足類やサソリ類などといっしょに昆虫の祖先が海から上陸を始めた時期といわれている。 |
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古生代石炭紀 |
こせいだい せきたんき |
carboniferous period |
古生代とは約5億5千万年から2億5千万年前の年代で、石炭紀は古生代のなかの約3億7千万年から2億9千万年前の年代のこと。海から上陸した昆虫の祖先が翅(はね)をもつようになり、飛躍的(ひやくてき)な発展をとげたといわれてる。 |
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コドン表
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こどんひょう |
codon table |
アミノ酸に対応するmRNA上の3塩基の配列。遺伝情報はDNA上の塩基配列として存在し,それがmRNA上の塩基配列に写し取られ,蛋白質の合成が始まる。コドンは,遺伝情報を蛋白質に翻訳する時の解読単位である。4種類の塩基(アデニン・グアシン・シトシン・ウラシル)のうち3個の配列が単位となって,アミノ酸に対応している。64通りの組み合わせが考えられるが,61通りがアミノ酸に対応しており,残りが終止コドンとなっている。 |
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小部屋方式 |
こべやほうしき |
small-room rearing type |
大部屋方式に対していう。気象調節を容易にするために、小さい飼育室を独立した1単位として稚蚕を飼育する方式をいい、電床育、土室育などがこれに属する。 |
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五眠蚕 |
ごみんさん |
five-molter,pentamolter |
一般的には四眠蚕だが、幼虫期に5回眠り(5回脱皮し)、上蔟する蚕。遺伝的に固定した五眠蚕もあるが、四眠蚕が不良飼育条件によって5眠することもある。 |
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菰抜き |
こもぬき |
taking away of the straw mat |
蚕が上蔟し、だいたいの繭の形ができたころ、蔟(主として改良蔟)の下のむしろまたは紙を蚕糞や尿とともに抜きとり、風通しをよくし、乾燥をはかる作業。 |
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混作栽培 |
こんさくさいばい |
mixed cropping |
2種類以上の作物(草本性または木本性)を同一の耕地に栽培した場合の土地利用の状態をいう。 |
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混作桑園 |
こんさくそうえん |
field used for mulberry growing with other crops |
桑以外の作物を栽培するために、畦幅を広くしている桑園をいい、その面積はごくわずかである。 |
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昆虫とポリフェノール、酸化酵素、グリシンの関係 |
こんちゅうとぽりふぇのーる |
insect and polyphenol |
双子葉植物(そうしようしょくぶつ)はポリフェノールが多く、特にイボタなどエグ味(苦い味)のある葉には多くふくまれる。葉の中のポリフェノールは昆虫に食べられると、昆虫の胃のなかで食べ物にふくまれるタンパク質とくっついてそのタンパク質が消化できなくなるように働く。昆虫にダイエットを強いるわけだ。葉の中には昆虫に食べられると活性酸素(かっせいさんそ)をたくさん作り出し、食べた昆虫を攻撃(こうげき)するものもある。一部の昆虫、特にイボタを食べるイボタガなどは胃の中にグリシンをたくさん分泌してグリシンとポリフェノールがくっついてしまうようにし、ポリフェノールのダイエット作用を妨害(ぼうがい)して、バリバリその葉を食べてしまう。 |
さ |
栽植密度 |
さいしょくみつど |
planting density |
単位面積当たりの植付け株数で表わされ、植付けの畦間と株間の距離により密度の大小が決まる。 |
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催青 |
さいせい |
incubation |
蚕の卵を孵化させるため、温度・湿度・光線などを調節した環境に保護することをいう。 |
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催青期 |
さいせいき |
body pigmentation stage of embryo |
胚発育の最終段階で、蟻蚕体が完成し、卵殻を通して蟻蚕体色が暗青色にみえる時期をいう。 |
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栽桑 |
さいそう |
mulberry cultivation, moriculture |
養蚕に使用する目的で、桑樹を肥培管理することをいう。繭生産調査(農水省)による栽桑労働は、耕うん、施肥、中耕除草等一連の桑園作業をさすが、桑の収穫作業は育蚕分野に入れられている。 |
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栽桑費用 |
さいそうひよう |
cost for growing of mulberry |
桑葉の生産に要した費用(ただし、未成園の育成費は除く。)であり、そのための物財費、労働費、減価償却費である。 |
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栽培 |
さいばい |
cultivation |
作物を植え育てること。また、農業経営では、作物を育てて収穫をあげるために行われるすべての手段・過程をいう。 |
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栽培限界 |
さいばいげんかい |
cultivation limit |
気候条件による作物栽培の限界のことをいう。
北部限界・・・・・・最暖月の平均気温20℃以下、夏季の平均気温18℃以上、日平均気温10℃以上の期間内の0℃以上の積算気温が2400℃以上。
二期作限界・・・・・・積算温度4800℃以上、年平均気温10℃以上。
養蚕では、北緯42度まで桑が栽培されており、亜熱帯圏から積雪・寒冷地に及ぶ。桑の発芽は10℃以上の温度が必要とされ、その後の生育には15℃以上を要するといわれている。 |
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栽培面積 |
さいばいめんせき |
growing area |
桑を栽培している土地の利用面積。肥培管理を行わない山桑等は、桑の収穫を行っても含まれない。 |
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在来種 |
ざいらいしゅ |
native variety(=breed,race) |
各地方において飼育・栽培され、今日まで存続している品種をいう。 |
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先染織物 |
さきぞめおりもの |
fiber or yarn dyed fabric |
〔別名〕糸染織物。染色した繊維を紡績した糸。あるいは染色した糸を使用した織物をいう。 |
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先練 |
さきねり |
yarn degumming(scouring) |
後練りに対する語で、製編織前に原糸で精錬すること。こうしてつくられる織物を先練織物と呼び、タフタ、ブロケード、お召などはその典型。 |
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座繰り生糸 |
ざぐりきいと |
hand reeled raw silk |
〔別名〕座繰り糸。座繰り器で繰製した生糸で、多くは下級生糸である。 |
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座繰繰糸 |
ざぐりそうし |
reeling of sitting system |
繰糸者が椅子に座って4~6緒の繰糸を行う方法で、比較的高温(60~70℃)の繰糸湯で、高速で生糸を小粋に巻取る。 |
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ざじょう |
chopped shoots |
〔別名〕切断条桑。条桑を適宣の長さに切断したもの。10~20cm程度に切断するのが一般的で、主として自動給桑装置を有する壮蚕機械飼育に用いられている。 |
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ざそう |
chopped leaves |
桑葉をきざむこと、またはきざんだ桑の葉。主として掃立時や稚蚕飼育に用いられている。 |
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ざそうき |
leaf chopper |
全葉または全芽の状態の桑葉をきざむ機械。稚蚕飼育用として広く普及している。 |
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サソリ類 |
さそりるい |
scorpiones |
節足動物(せっそくどうぶつ)のなかま。熱帯、亜熱帯、温帯の一部に分布し種類によって強い毒性がある。その祖先は古生代シルル紀に海から陸に上陸したといわれる。 |
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座中繭 |
ざちゅうけん |
cocoon in rearing bed |
蚕座のなかで営繭した繭。条桑育の場合には条中繭(cocoon in mulberry shoots)ともいう。 |
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雑種 |
ざっしゅ |
hybrid |
遺伝子的構成が雑ぱくな個体またはその集団をいう。純粋種の対語。また交雑種と同義に用いることもある。 |
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雑種強勢 |
ざっしゅきょうせい |
heterosis,hybrid vigor |
交雑種において、成長速度、大きさ、生存率、生産性などが両親の系統に比べて勝れているという現象。これと反対の現象を雑種弱勢という。雑種強勢の利用として、一代雑種(単交雑)、三元雑種、四元雑種(複交雑)がある。 |
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雑食性 |
ざっしょくせい |
omnivority |
〔別名〕多食性。動物が植物質と動物質の両者を食物とする性質。ある種の昆虫のように多くの種類の植物を餌としている場合、これを広食性polyphagyというが、雑食性と混用することもある。 |
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蛹 |
さなぎ |
pupa |
完全変態(かんぜんへんたい)をする昆虫に見られる体の変化のひとつで、蛹(さなぎ)を経て成虫となる。蛹になるとエサも食べず、ほとんどの蛹は動くことはない。蛹の中では大半の器官が分解され、成虫のからだが作られる変化がおきている。 |
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蚕莚 |
さんえん |
straw mat |
わらを編んで作った養蚕用のむしろで、主として飼育、上蔟などにおける敷きものとして用いられる。 |
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蚕架 |
さんか |
rearing stand |
〔別名〕蚕飼育棚、かいこ棚。蚕箔を置いて飼育、上蔟などに利用する多段の棚をいう。 |
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酸化酵素 |
さんかこうそ |
oxidase |
酸素を電子受容体として用いる酵素。酸素は水または過酸化水素(かさんかすいそ)に還元(かんげん)される。そのとき有害な活性酸素(かっせいさんそ)ができることがあり、植物はこの活性酸素を使って植物を食べようとする昆虫の活動を妨害(ぼうがい)することがある。 |
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蚕期 |
さんき |
rearing season |
蚕を飼う時期をいう。春蚕期、夏蚕期など。 |
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蚕業 |
さんぎょう |
sericulture |
〔別名〕養蚕業。農業の1作目であり、桑を栽培し、蚕を飼う産業をいう。 |
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蚕業試験場 |
さんぎょうしけんじょう |
sericultural experiment station |
養蚕に関する研究を行う公立の試験研究機関。 |
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蚕業指導所 |
さんぎょうしどうじょ |
sericultural consulting center |
〔別名〕蚕業技術指導所。養蚕に関する指導普及の業務を司る地方自治体の機関をいう。 |
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蚕具 |
さんぐ |
rearing instruments(=tools) |
蚕を飼うために使う道具。養蚕の道具。 |
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蚕繭共済 |
さんけんきょうさい |
silkworm cocoon mutual relied |
農業災害補償法にもとづく農業保険の1種で、養蚕農家は掃立箱数に応じて一定の掛金を支払い、蚕児や桑葉が損害を被って繭が違作した場合、その程度に応じて一定の率により共済金が支払われるもので、一定基準以上の掃立を行う農家は強制加入となっている。 |
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蚕座 |
さんざ |
silkworm rearing bed(seat) |
飼育のために整えた蚕の置き場所。 |
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蚕作 |
さんさく |
cocoon crop |
蚕の作柄。蚕作安定(stabilization of cocoon crop)。蚕の生育および収繭高の状況をさす。 |
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蚕糸業 |
さんしぎょう |
sericultural industry |
通常、生糸の段階までの業務を指し、狭義には蚕種製造・養蚕・製糸の三業をいい、広義にはこのほかに、以上の生産の幇助および生産品の加工・流通に関与する業務を含ませる。 |
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蚕糸業法 |
さんしぎょうほう |
sericultural industry law |
明治44年に蚕糸業の改良発達を目的として制定され、蚕種に関する諸規定をはじめ、蚕病・桑苗、繭検定、生糸検査、繭取引、蚕糸業の許可および統制に関して定められたものだが、その後役割を全うして平成10年3月31日に廃止された。 |
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蚕室 |
さんしつ |
rearing room |
蚕を飼う部屋。建物全体を指していう場合もある。かつて、蚕室は家屋内にあり、人間と同居のような状況にあったが、蚕室環境制御や規模拡大、居住様式の変化等から専用の蚕舎が設けられるようになった。 |
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蚕室蚕具洗浄 |
さんしつさんぐせんじょう |
washing of rearing room and rearing instruments |
飼育によって汚れた蚕室や蚕具を水洗すること。飼育準備作業の1つ。 |
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蚕舎 |
さんしゃ |
rearing house |
育蚕作業を行う専用の建物。年間条桑育の普及によって、現在では屋根と側壁を有し床を土間またはコンクリート打ちした簡易な構造のものが多いが、最近、機械育による重装備の蚕舎も普及している。 |
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蚕種
|
さんしゅ |
silkworm egg |
蚕の卵を指す用語。 |
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蚕種製造 |
さんしゅせいぞう |
silkworm eggs production |
養蚕用の蚕種は普通蚕種といい、その親種を原蚕種という。普通蚕種は交雑種で、農林水産大臣が飼育および製糸の調査を試験研究機関に委託し、農業資材審議会蚕種部会の答申を経て、優良と認めた品種(交配形式)だけが製造されることになっている。 |
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蚕種費 |
さんしゅひ |
silk-worm eggs cost |
蚕種の購入代金であり。購入に要した付帯費用も含まれる。なお、生産費の計算では無償で入手した蚕種(蚕児)も市価で評価し、費用として計上している。 |
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蚕箔 |
さんぱく |
rearing trey |
蚕の飼育に用いる盆状の容器で、蚕かごともいう。製作材料によって竹箔、木箔の呼称があり、最近では鉄製のものも用いられるようになった。形は円形のものもあるが、長方形のものが多い。広義には飼育箱も蚕箔とよぶ。 |
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蚕病 |
さんびょう |
silkworm diseases |
蚕に起る疾病の総称。ウイルス病、原虫病、細菌病、糸状菌(菌類)病などがあり、これらはそれぞれの病原微生物(pathogen,parasite)のカイコ(host)への感染(=寄生)によりもたらされる伝染病である。 |
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蚕品種 |
さんひんしゅ |
silkworm race(variety) |
蚕糸業法によって定められた指定品種、その交雑種、育成中の品種、保存品種などの総称。蚕品種は原産地別・化性別・眠性別・繭色別などにより分類される。 |
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蚕糞 |
さんぷん |
silkworm feces |
蚕のふん。肥料または家畜のえさ、葉緑素・ビタミンE・Kなどの製造原料として利用される。 |
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三眠蚕 |
さんみんさん |
three molter,trimolter |
幼虫期に3回眠り(3回脱皮し)上蔟する蚕。遺伝的には優生のものと劣性のものとがあるが、その発現は他の遺伝的背景および環境により影響される。一般に、三眠蚕の発生防止策としては①1~2齢の高温育を避ける、②成熟桑を給与する、③暗飼育を行う、④発生しにくい蚕品種を選ぶ、ことなどがあげられる。 |
|
蚕網 |
さんもう |
net |
除沙や上蔟前の網入れ、条払い後の網取法などに用いる網。材料によって糸網、縄網、い(藺)網などとよぶ。近時ではプラスチック製のものが多くを占めるようになった。 |
し |
飼育(蚕の) |
しいく |
(silkworm)rearing |
蚕に飼料を与えて育てること。 |
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飼育回数 |
しいくかいすう |
number of times of rearing |
年間の総飼育回数をもって示す。一般的には個別農家における3~5齢または4~5齢飼育の回数を指していう。たとえば、個別養蚕農家におけるこれまでの最高飼育回数では、年間12回がある。 |
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飼育形式 |
しいくけいしき |
silkworm rearing form |
飼育施設・飼育手段などの育蚕技術の発達の歩みのなかで出来あがった型をいう。 |
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飼育室 |
しいくしつ |
silkworm rearing room |
蚕の飼育に使用する部屋をいい、蚕室とは同義である。 |
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飼育条件 |
しいくじょうけん |
rearing condition |
蚕をとりまく気象環境、飼育手段および取扱いなどの条件。 |
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飼育密度 |
しいくみつど |
larval density in rearing |
蚕座表面積に対する蚕児の占有面積割合であるが、一般的には面積当りの収容頭数をもって見当づけている。古くは1尺坪当たり、現在では0.1㎡または1㎡当たりの収容頭数で示されている。 |
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飼育量 |
しいくりょう |
amount of silkworms to be reared |
厳密には飼育頭数で示さなければ正しい基準といえないが、一般的には飼育箱数(卵量10g、卵総数20000粒)をもって表わされる。 |
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糸価 |
しか |
prices of raw silk |
生糸の値段で、27中3A格の糸の値段を標準とする。 |
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時価 |
じか |
market price |
資産の評価時点における客観的な市場価額ないし取引所価額をいう。 |
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紫外線 |
しがいせん |
ultraviolet radiation |
波長が短く人間の目には感じない光線で、太陽光が強い夏には紫外線(しがいせん)が日焼けの原因になっている。紫外線の量が増えると、遺伝子を傷つけるなど地上の生物にとって有害な光線となる。地球にはオゾン層があるため、大部分の紫外線はそこで吸収され地表に届く量はわずかになる。 |
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自給肥料 |
じきゅうひりょう |
self-supplying manures |
農家が自分でつくるこやし。つみごえ・うまやごえ・緑肥・山草・しもごえ・灰など。購入肥料に対していう。 |
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資源 |
しげん |
resource |
個人または社会システムの目標達成、存続にとって手段として役立つもののなかでも、特に人間の力だけでは任意に生産できず、外部から投入されなければ入手できないような諸手段の総称。 |
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翅鞘 |
ししょう |
elytra |
翅(はね)の鞘(さや)という意味で、コウチュウ目の前翅(ぜんし)のこと。鞘とは入れ物のことで、甲虫のかたい前翅が身を包むケースのようであることから、こう呼ばれている。 |
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自然上蔟 |
しぜんじょうぞく |
natural mounting |
熟蚕の出た蚕座の上にまぶしを置き蚕を自然にはい上がらせて上蔟する方法。 |
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実用蚕品種 |
じつようさんひんしゅ |
commercial silkworm race |
農家で糸繭用として飼育されている経済性の高い交雑種をいうが、これに用いる原種に対しても用いることがある。 |
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自動給桑機 |
じどうきゅうそうき |
automatic feeder(of mulberry leaves) |
給桑作業を自動的に行う機械で、単独の給桑機として用いられる場合と、蚕座部を含めた自動飼育装置の一部として給桑機部を構成するものとがある。 |
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自動飼育機 |
じどうしいくき |
automatic rearing machine |
給桑、除沙、蚕体蚕座消毒のための薬剤散布などの蚕飼育作業の全工程、または一部工程を自動化した飼育機械。 |
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自動繰糸機 |
じどうそうしき |
automatic reeling machine |
煮熟された繭から自動的に目的繊度の生糸を造る装置のことで、現在は索緒・抄緒・給繭・接緒・落繭捕集・落繭分離などの作業のほとんどを機械化したものが用いられている。 |
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周囲桑 |
しゅういそう |
mulberry planted around field |
圃場の周囲に桑を植えてある場合をいう。 |
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収繭 |
しゅうけん |
harvesting of cocoons |
〔別名〕まゆかき。繭の収穫。まぶしから繭をかきとること、または毛羽取り作業を含めていう場合もある。収繭の適期は、春・晩秋期(21℃~24℃)では上蔟後7~8日目、夏秋期(25℃~27℃)では6~7日目である。 |
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収繭機 |
しゅうけんき |
cocoon harvester |
結繭した蔟中の繭を収集する機械。現在ではボール紙製の区画蔟から収繭する形式のものが普及されており、動力利用の自動収繭機と人力による足踏式収繭機とがある。 |
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収繭毛羽取機 |
しゅうけんけばとりき |
cocoon harvester attached with floss remover |
収繭機と毛羽取機を組み合せ、脱繭および毛羽取りの二作業工程を同時化したもの。ただし本機を利用できる蔟は回転蔟などのボール区画蔟に限られる。 |
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収繭量 |
しゅうけんりょう |
amount of cocoon crop |
繭のとれ高のことで、一般的には普通繭の収量を重量で示す。掃立量1箱当たり、桑園10a当たりなどを基準として算出される場合が多い。 |
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嗅腺 |
しゅうせん |
scent gland |
においを出すからだの器官。なかまどうしの連絡や危険をしらせる役割もあるといわれている。 |
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集団桑園 |
しゅうだんそうえん |
collective(coopertive)mulberry field |
一定の区域内に集団的に団地を形成した規模の大きい桑園で、昭和35年度より実施された集団桑園模範施設設置事業では、事業主体単位に1団地2ヘクタール以上のものとされている。 |
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周年作 |
しゅうねんさく |
year-round culture |
年間を通して作付けのある作物のうち、草本性のものを周年作とし、木本性の作物を永年作物として区分する。 |
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縦列給桑 |
じゅうれつきゅうそう |
shoot supply in a column |
〔別名〕川の字(または川字)給桑、縦置き給桑、縦給桑。条桑育において蚕座の長い辺に平行して条桑を給与する方法。横列給桑に対していう。 |
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樹液 |
じゅえき |
sap |
クヌギやコナラ、クリなどの木の割れ目やキズからしみでる液体のことで、樹液の出るところはカブトムシやチョウなど昆虫の餌場(えさば)となる。 |
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熟蚕 |
じゅくさん |
matured larva |
営繭を始める時期に達した蚕の幼虫をいい、普通蚕品種では、孵化してから23~25日を要する。 |
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主産地 |
しゅさんち |
main districts of producing |
特定の作目が優位な立地的条件を活用し、生産を集中させている地域であり、生産性・普及率にすぐれ、市場占有率が高く競争力のある産地であることが特徴である。 |
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主産物 |
しゅさんぶつ |
main products |
生産費の計算を行う対象農作物であって、販売を目的とし、通常、市場で取引の対象となる品質を有しているものをいう。自家用も、販売するものに比べて劣らない限り主産物としている。 |
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樹齢 |
じゅれい |
age of tree |
桑樹の年齢。植えつけられてからの春を経過した回数によって数える。従って秋植の場合は翌春を第1年とする。 |
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春夏秋蚕兼用桑園 |
しゅんかしゅうさんけんようそうえん |
mulberry field for spring and summer-autumn rearing |
〔別名〕兼用桑園。蚕期による桑園の用途区分の1つ。1枚の桑園から春蚕期と夏秋蚕期に収穫する桑園。春収穫後は夏切し、その後生長した桑を夏秋蚕用に供する。 |
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春蚕期 |
しゅんさんき |
spring rearing season |
〔別名〕はるご、はるこ(春蚕)。春に飼う蚕で普通4~5月に掃立てる。寒い地方では6月に掃立てるものも春蚕という。 |
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春蚕種 |
しゅんさんしゅ |
egg for spring rearing |
〔別名〕春用蚕種。春蚕期の飼育に当てる蚕種。 |
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春蚕専用桑園 |
しゅんさんせんようそうえん |
mulberry field for spring rearing |
蚕期による桑園の用途区分の1つ。主に春蚕に供用する桑園。春収穫後は夏切するが夏秋蚕には収穫しない。 |
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上繭 |
じょうけん |
reelable cocoon |
収繭の際または収繭後に同功繭、穴あき繭、汚染繭などのくず繭を取り除き、製糸原料繭として良好な繭だけを選び出したものをいう。 |
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条桑 |
じょうそう |
mulberry shoot |
枝付きの桑。蚕に桑を与えるには、条桑のほか、芽桑(全芽)、葉桑(全葉)の形式がある。 |
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条桑育
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じょうそういく |
rearing with mulberry shoots |
桑葉付きの枝をそのまま与えて蚕を飼う方法。現在では、年間条桑育が一般慣行技術である。 |
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条桑刈取機 |
じょうそうかりとりき |
mulberry shoot reaper |
条桑を刈取り収穫する機械で、歩行型、乗用型がある。 |
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条桑切断機 |
じょうそうせつだんき |
shoot cutting machine,shoot chopper |
〔別名〕 機(ざじょうき)壮蚕機械飼育の自動給桑を容易にするため、条桑を切断するための機械。10~20cm程度に切断するのが一般的である。 |
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上蔟 |
じょうぞく |
mounting |
熟蚕を集めて蔟に移すこと。また蚕が食桑をやめ吐糸する状態になったことにも用いる。 |
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消毒 |
しょうどく |
disinfection |
本来は感染を防止するため目的とする病原微生物を殺滅することをいうが、殺菌の意にも使う。 |
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条払い |
じょうばらい |
shaking larvae from shoots |
条桑に付着している蚕を条桑からふるい落とすこと。熟蚕収集のために行う。 |
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条払い自然上蔟 |
じょうばらいしぜんじょうぞく |
natural mounting after "jobarai" |
条払いした蚕に再び給桑した後、その上に蔟を置いて自然上蔟させること。 |
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条払台 |
じょうばらいだい |
"jobarai-dai" |
4本の脚を有する長方形の枠に数本の針金を縦横に張った台で、その上で熟蚕の付着した条桑を振動させ条桑と熟蚕を分離する。作業は手作業による。 |
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常緑樹林帯 |
じょうりょくじゅりんたい |
evergreen tree belt |
常緑樹が集まっている場所。秋から冬になっても落葉せずに一年中葉をつけている木を常緑樹という。マツやスギ、シイ、カシなどが常緑樹。 |
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食性 |
しょくせい |
food habit,feeding habit |
動物の摂食に関する習性をいい、どのような種類の食物をどのような行動によって摂食するかを意味する。狭義に、どのような種類の食物を食べるかを指す場合もあるが、単に食べるというだけではなく、その食物により完全な発育をとげ世代をくり返し、種を維持し続けることが条件となる。 |
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除沙 |
じょさ |
bed-cleaning |
いさを取り除くこと。 |
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初秋蚕期 |
しょしゅうさんき |
early autamn rearing season |
夏蚕期と晩秋蚕期の中間の蚕期。おおむね7月下旬から8月上旬にかけて掃立てる蚕。 |
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除草剤 |
じょそうざい |
herbicide |
雑草の発生を抑制、あるいは発育中の雑草を枯死させるために使用する薬剤で、水和・乳・粉・粒剤などがある。化学的には、尿素系・フェノキシ系・トリアジン系化合物など多数がある。 |
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触角 |
しょっかく |
antenna |
昆虫の頭に一対あるアンテナのようなもの。触角はその言葉から触れる(ふれる)ことによって感じる感覚器官と思われているが、本当はにおいを感じる臭覚器官である。オスはメスよりも触角がすぐれているといわれるが、これはメスの出すにおいを感じとり、その場所を見つけて交尾(こうび)するためである。餌(えさ)のにおいから、その場所を見つけることもできる。 |
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初冬蚕期 |
しょとうさんき |
early winter rearing season |
晩々秋蚕期に続く最後の蚕期。 |
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自立経営 |
じりつけいえい |
viable farming |
農業基本法(昭.36)制度の際に提起されたもので「正常な構成の家族のうちの農業従事者が正常な能率を発揮しながらほぼ完全に就業することができる規模の家族農業経営で、当該農業従事者が他産業従事者と均衡する生活を営むことができるような所得を確保することが可能なものをいう」としている。 |
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飼料費 |
しりょうひ |
feed cost |
家畜・家蚕等に給与された飼料の費用をいう。購入飼料については、実際の給与量に購入代金のほかその購入に要した運賃、手数料、手間賃等の付帯経費も計上している。また、自給飼料については、給与量に評価単位(費用費または市価)を乗じたものを飼料費として計上している。 |
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人工飼料
|
じんこうしりょう |
artificial diet(food,feed) |
適当な素材を用い、それらを混合して人工的に作り上げた飼料。その内容によって配合飼料、準合成飼料および合成飼料などがある。 |
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人工孵化 |
じんこうふか |
artificial hatching |
蚕の越年性の卵に人工的な処理を施し、胚を発育させ孵化させることで、塩酸浸漬によるものが最も普通である。 |
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新植桑園 |
しんしょくそうえん |
newly planted mulberry field |
新たに桑を植え造成された桑園をいい、また桑を植付けてから3~4年の若い未成桑園をいう場合もある。 |
す |
|
す |
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制限酵素
|
せいげんこうそ |
restriction enzyme |
DNAの特定な塩基配列を識別し,二本鎖を切断するエンドヌクレオチダーゼのこと。種々の細菌類から特異的に異なった酵素が純化されている。生物界に広く分布しており,生物種によって特異性が異なっているため,酵素名に生物種を略記することとしている。1972年に大腸菌から分離されたEcoRⅠが有名である。制限酵素は細菌自身のDNAは分解せずに,外来のDNAを分解する細菌の生体防御機構ともいえる。 |
せ |
製糸 |
せいし |
filature |
繭から生糸、玉糸、野蚕糸などを繰製する作業の総称で、乾繭・貯繭・選繭・煮繭・繰糸・揚返・束装・副蚕処理などの工程に分けられる。 |
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製糸業法 |
せいしぎょうほう |
silk reeling industry law |
過小製糸の濫立を防ぎ、生糸投売の防止、繭取引の安全、その他諸種の弊害の除去、生糸品質の向上などを図るため昭和7年制定された法律である。 |
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製糸工場 |
せいしこうじょう |
mill,filature factory |
繭から生糸、玉糸などを繰製する工場で、器械製糸工場・国用製糸工場・玉糸製糸工場などに大別される。 |
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盛食期 |
せいしょくき |
gluttonous stage |
蚕の各齢において食桑量が著しく多い時期で、齢中経過時間のおよそ3/8の期間を占める。 |
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成虫 |
せいちゅう |
imago , adult |
成長の最終段階に達した昆虫のことで、成虫は基本的には翅(はね)をもち生殖能力(せいしょくのうりょく)がある。 |
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正葉 |
せいよう |
leaf(pl.leaves) |
桑葉から葉柄を除去した葉身だけの部分で、蚕の食下量、消化量調査などの場合に用いられる。また茎を除いた葉柄のついた葉をいうこともある。 |
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全芽育成 |
ぜんがいくせい |
treatment for current shootlet |
夏秋蚕期の稚蚕の飼育に、手頃な若い芽を発芽させて育てること。この方法は桑葉育の場合であって人工飼料育の場合は必要がない。 |
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線形計画法 |
せんけいけいかくほう |
linear programing,LP |
個別農業経営の計画法の1つ。連立一次方程式あるいは連立一時不等式であらわされる制約のもとで、ある目的関数を最大または最小にするような解を求める方法である。養蚕農家の経営計画では、コンピュータ利用のソフトが開発され、また、人工飼料の最適構造(LP飼料)に用いられている。 |
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選繭 |
せんけん |
cocoon assorting(sorting),cocoon elimination |
養蚕農家が繭出荷に先立って、玉繭、汚染繭など上繭に属さない繭を選除すること。 |
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全繭重 |
ぜんけんじゅう |
whole cocoon weight |
〔別名〕繭重。繭層重・蛹体重などに対する語で、1粒の繭の全体の重量を言う、gで表わす。 |
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先行蚕 |
せんこうさん |
pilot rearing |
指導所や稚蚕共同飼育所などで、少しばかりの蚕を、大口の掃立日よりも数日前に掃立てて飼ってみる蚕。その蚕の発育経過を観察して大口の蚕や一般養蚕家の蚕の飼育指針の資に供する。 |
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全自動繰糸機 |
ぜんじどうそうしき |
full automatic reeling machine |
〔別名〕無人繰糸機。人手を全く必要とせず、生糸を自動的に製造することが出来る繰糸機械。 |
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選除繭歩合 |
せんじょけんぶあい |
percentage of eliminated cocoon |
製糸工場において、目的とする品質の生糸の製造には不適当と判断して選除した繭の割合、繭検定では自然光線の反射光下の明るい場所に置かれた選繭台上で、玉繭、穴あき繭はその全部を、内部汚染繭・外部汚染繭・破風抜繭・薄皮繭・蔟着繭・奇形繭・浮しわ繭およびかび繭は繭検定選除繭標準と対照して選除し、それらの重量を検定供用繭の原量で除して百分率で成績を表わす。 |
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先端伐採 |
せんたんばっさい |
pruning(cutting) of branchtop |
〔別名〕梢端伐採、枝条の先端部を伐採する剪定もしくは収穫の方法。晩秋期に枝条長の1/3~1/5程度を伐採し翌春の増収をはかる。 |
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繊度 |
せんど |
size |
繊維の太さ。繊維の長さ450mで0.05gあるものを単位としたもの(デニール)または長さ1,000m当たりの重量をgで表わした数値(テックス)などの重量繊度と断面の面積から求める幾何学的な繊度がある。生糸など蚕糸の分野ではデニールを用いる。 |
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全葉 |
ぜんよう |
unchopped leaf |
桑枝条から摘みとった葉。全芽に対していう。 |
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前蛹 |
ぜんよう |
prepupa |
蛹(さなぎ)になる直前の幼虫の姿で、蛹とほぼ同じ大きさにちぢんだ状態になっている。 |
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専用桑園 |
せんようそうえん |
exclusive mulberry field |
兼用桑園に対していう。稚蚕のための専用桑園という意味で用いられる場合と、春蚕専用・夏秋蚕専用のように蚕期に対する専用という意味で用いられる場合とがある。 |
そ |
桑園 |
そうえん |
mulberry plantation(field) |
養蚕に使用する目的で桑樹を集団的に栽培している土地。 |
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桑園造成 |
そうえんぞうせい |
establishment of mulberry field |
桑園を作ること。狭義には新たに桑園を開設するための基盤の整備を行うこと。 |
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壮蚕 |
そうさん |
grown silkworm |
一般に4齢・5齢の蚕を総称していう。 |
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壮蚕用自動飼育機 |
そうさんじどうしいくき |
automatic rearing machine for grown silkworms |
壮蚕飼育用に開発された自動飼育機械で、蚕座移動法により水平移動型、多段循環型に大別される。飼育段数は4~6段が一般的である。 |
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壮蚕用桑園 |
そうさんようそうえん |
mulberry field for grown silkworm |
主に壮蚕に使用する桑園。稚蚕用桑園に対していう。 |
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繰糸
|
そうし |
reeling,silk reeling |
煮熟された繭から正緒を求め、繭層から繭糸を解じょさせながら数本以上集めて抱合させ、目的繊度の生糸または玉糸を造る操作。繰糸方法または用いる機械によって座繰り(ざぐり)繰糸・多条繰糸・自動繰糸・玉糸繰糸・直繰繰糸などに区別される。 |
|
繰糸機(械) |
そうしき(かい) |
reeling machine |
煮熟された繭から生糸を作り、それを小枠に巻き取る装置で足踏繰糸機・座繰り(ざぐり)繰糸機・多条繰糸機・自動繰糸機などがある。 |
|
早熟栽培 |
そうじゅくさいばい |
precocity culture |
露地栽培の,は種期より早い時期にフレーム等で育苗し、晩霜のおそれがなくなってから、露地に定植する栽培をいう。 |
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桑樹成園費 |
そうじゅせいえんひ |
cost for creation of mulberry field |
桑苗の植付けから成園に達するまでの育成費を基礎として算出した償却費をいい、一般には育成価を耐用年数で割って求める。 |
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繰糸量 |
そうしりょう |
reeling efficiency |
一定時間内に繰糸される生糸の重量で、繰目(くりめ)ともいう。繰糸工1人8時間当りで表わされる場合が多い。 |
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速成桑園 |
そくせいそうえん |
early-yield mulberry field |
桑苗植え付け後、収穫までの年数を短かくし、早く収益を上げることを目的とした桑園。根刈・密植・多肥とし早く株面を拡げる仕立法などがとり入れられている。 |
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蔟中斃蚕 |
ぞくちゅうへいさん |
dead silkworm in cocoon frame |
蔟の中で繭をつくらずに死んでいる蚕をいう。 |
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卒倒病
|
そっとうびょう |
|
Bacillus thuringiensis var. sottoによる蚕の病気。産生毒素による中毒で,軽症のものは軟化病的な症状を見せるが,重症のものは急激に斃死するため,この名称がつけられた。この卒倒菌を利用して,生物農薬や遺伝子導入手法が考案された。 |
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耐乾性 |
たいかんせい |
drought resistance |
乾燥に耐えて生命を維持する性質。根の給水能力の低下や蒸散により萎凋しても、回復できる最小の含水率などがこれに影響する。桑は深根性で、ももやぶどう等の果樹に比べて耐乾性がある。 |
た |
耐寒性 |
たいかんせい |
cold hardiness |
越冬植物が冬季の寒冷に耐えて傷害をうけないか、うけかたの少ない性質をいう。耐寒性には体内水分の減少により凍結をまぬがれることと、凍結してもよくそれに耐えること(=耐凍性)の2つの面がある。 |
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高刈仕立 |
たかがりしたて |
high-cut training |
桑の仕立法を主幹の長さで分ける場合、地平面100cm程度以上に高く仕立てる法をいう。日本では積雪地帯に多い。 |
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多化性 |
たかせい |
polyvoltine,multivoltine |
自然状態において、越冬することなく1年に3回以上世代をくり返す性質をいう。 |
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高根刈仕立 |
たかねがりしたて |
semi-low cut training |
株高が地上から30~50cm程度の、いくぶん高目の根刈仕立で、関東地方に比較的多い。 |
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多幹式仕立 |
たかんしきしたて |
training with several trunks |
1株に数本以上の主幹あるいは支幹をたてた桑の仕立で、一種の多条式仕立である。 |
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多収穫桑園 |
たしゅうかくそうえん |
high productive mulberry field |
大量の良質桑葉を生産する桑園。地力が高く、水や気象条件に恵まれ、施肥量が多く、仕立法が適正で、桑収穫量はおおむね年間10アールあたり3,000kg以上を期待できる桑園。 |
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多足類 |
たそくるい |
|
ムカデなどに代表される節足動物(せっそくどうぶつ)。 |
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脱繭器 |
だっけんき |
cocoon gathering apparatus |
区画蔟に営繭した繭を収集するための器具。ボール区画蔟を固定するための木枠と、蔟穴から繭を押し出すための脱繭ぐしをセットにしたもの。 |
|
脱皮 |
だっぴ |
ecdysis,molting,exuviation |
クチクラ性の外皮をもつ昆虫などが成長の過程で古い外皮を脱ぐ現象。蚕では幼虫脱皮(通常、4回脱皮)と蛹化・羽化の際の変態を伴った脱皮がある。脱皮は前胸腺ホルモンにより起り、外皮・前腸・後腸・気管支膜などにみられる。 |
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棚飼 |
たながい |
shelf rearing |
蚕架を用い、これに飼育容器を挿して飼育を行う方式。 |
|
種繭 |
たねまゆ |
seed cocoon |
蚕種製造用に供せられる繭をいう。 |
|
種わく |
たねわく |
egg-card holder |
わくどり蚕種を一定期間保護する場合に、用いる器具。蚕種の堆積、呼吸障害を防ぐために蚕卵台紙の間に一定の間隔ができるように作られている。 |
|
タフタ |
たふた |
taffeta |
〔別名〕薄琥珀、浜琥珀。(1)たて糸にもろより本練糸、よこ糸に片より本練糸を使用した密度のち密な平織物。横うねで光沢があり、無地、たてしま、格子じま、紋織がある。(2)無よりまたは甘よりの化学繊維フィラメント糸を用いた密度のやや緻密な平織物。 |
|
玉糸 |
たまいと |
doupion silk |
玉繭から繰製した生糸のことであるが、実際には単繭(主として中・下繭)を多く混ぜて繰糸している場合が多い。節が多いのが特徴で、シャンタン、リンシャンなどの原糸として主に60中、110中、225中の繊度のものが造られている。 |
|
玉繭 |
たままゆ |
double cocoon |
同功繭ともいう。2頭以上の蚕が一つの繭を作ったもので繭層が厚い。過熟蚕の上蔟、厚上げ、また、上蔟中の高温多湿などの時は玉繭を作りやすい。玉繭は玉糸の原料となり、上繭扱いにはしない。 |
|
玉繭歩合 |
たままゆぶあい |
percentage(=ratio) of double cocoon |
〔別名〕同功繭歩合。全収繭数に対する玉繭数の割合。 |
|
玉虫厨子 |
たまむしのずし |
|
奈良の法隆寺(ほうりゅうじ)に伝わる国宝。日常的に利用する仏像や経典などを収納する容器を厨子(ずし)といい、法隆寺に伝わるものは全体は約2メートルほどの高さで、木造漆塗り(うるしぬり)、装飾にタマムシの翅鞘(ししょう)を貼り付けたことからこの名がつく。 |
|
俵 |
たわら |
bale |
生糸を輸出向けに包装したもの。括造にした生糸60kg(正量)に防湿性の内装を施し、さらにその上を外装としてアンペラで包んだもの。現在はアンペラ包とすることは少なく、段ボール箱やズック袋の包装に変わっているが、生糸の生産量や取引の数量を示す単位(重量60kgに換算、ひょうと読む)として用いられている。 |
|
単繭 |
たんけん |
single cocoon |
玉繭に対する語で、1頭の蚕によって作られた繭。また一つの繭という意味に用いる場合もある(単繭重など)。 |
ち |
稚蚕 |
ちさん |
young silkworm |
1齢から3齢までの蚕をいう。 |
|
稚蚕委託飼育 |
ちさんいたくしいく |
rearing of young silkworms on commission |
稚蚕期の飼育を他人に委託し、委託料により精算するものをいう。 |
|
稚蚕共同飼育
|
ちさんきょうどうしいく |
cooperative rearing of young silkworms |
1,2齢または1~3齢までの蚕を、共同で飼うこと。最近、幅広い食性を有する広食性の蚕品種と、桑葉を含まない低コスト人工飼料が開発されたため、1~4齢期までの人工飼料育による共同化または委託化が普及しつつある。 |
|
稚蚕共同飼育所 |
ちさんきょうどうしいくじょ |
cooperative rearing house for young silkworms |
1、2齢または1~3齢までの蚕を、共同で飼う所をいう。 |
|
稚蚕共同桑園 |
ちさんきょうどうそうえん |
mulberry field for the cooperative rearing of young silkworms |
稚蚕共同飼育を効果的に行うために設けられた共同の稚蚕用桑園。 |
|
稚蚕自動飼育機 |
ちさんじどうしいくき |
automatic rearing machine for young silkworms |
稚蚕飼育用に開発された自動飼育機械で、蚕座移動法により、水平移動型・多段循環型・螺旋循環型に大別される。 |
|
稚蚕人工飼料育 |
ちさんじんこうしりょういく |
rearing of young silkworms with artificial diet |
1齢より2齢または3齢までの稚蚕期を人工飼料で飼育する飼育法。 |
|
稚蚕用桑園 |
ちさんようそうえん |
special mulberry field for young silkworms |
稚蚕用に設けられた桑園。壮蚕用桑園に対していう。 |
|
中間伐採 |
ちゅうかんばっさい |
intermediate-cutting (of branches) |
桑の収穫時に枝条を中間から伐採収穫する方法で、また剪定を目的として枝を中間で伐採することもある。基部伐採に対していう。 |
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中下繭 |
ちゅうげけん |
defective cocoon |
上繭(普通繭)以外の繭の総称で、製糸原料に不適当なものとして養蚕家または製糸工場において選除されたもの。 |
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中繭 |
ちゅうけん |
light defective cocoon |
選除繭(中・下繭)のうち、座繰りや玉糸製糸の原料として用いられるものを中繭、用いられないものを下繭とする。 |
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中耕 |
ちゅうこう |
interillage |
作物の育成期間中に、除草と通気を促す目的で畝間の土壌を軽く耕す作業をいう。桑園管理では、おおむねロータリー耕であるが、夏切桑園の場合は春発芽前の春肥施用後と6月中~下旬の夏肥散布後に行い、春切桑園では春発芽前の春肥施用後と夏蚕および初秋蚕期の収穫後に行われる。 |
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中国種 |
ちゅうごくしゅ |
chinese race |
中国大陸に在来する品種およびこれから改良された品種。食桑が活発で発育も早い。幼虫斑紋には姫蚕が多い。繭は楕円形や球形に近いものが多く紡錘形のものもある。繭色は白・金黄・肉・緑・紅色などがある。一化性と二化性とがある。 |
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超省力飼育装置 |
ちょうしょうりょくしいくそうち |
new automatic rearing machine |
給桑・除沙・蚕体消毒・上蔟など一連の育蚕作業を自動化した新しい飼育機械をいう。 |
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貯繭 |
ちょけん |
cocoon storage |
製糸原料繭を生糸に加工するまでの間貯蔵しておくこと。 |
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貯桑 |
ちょそう |
leaf storage |
桑園からとってきた桑を給桑のときまで一時貯蔵しておくこと。 |
つ |
紬 |
つむぎ |
"tsumugi" (hand spun silk fabric) |
真綿を手でつむぎだした糸をたて・よこ糸に使用して手織でかすり,しま、白などに織りあげた先練織物。またはこれに類似の織物。最近は、生糸、玉糸、絹紡糸などを代用したものがあり、平織に限らない。大島紬、小千谷紬、結城紬など産地名を冠して呼称される。 |
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DNA
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でぃー・えぬ・えー |
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デオキシリボ核酸あるいはデオキシペントース核酸の略称。核酸のうち,糖成分がD-2-デオキシリボースであるものをいう。 |
て |
出殻繭 |
でがらまゆ |
pierced cocoon |
蛹が蛾となって抜け出た繭のことで破風の一方が破られているので、製糸の原料には用いられない。蚕種製造の副産物として出来るものが大部分であるが、養蚕家又は製糸家の不注意によって製糸用の繭が出蛾して出来る場合もある。真綿、紬糸、絹糸紡績の原料に用いられ、屑繭の中ではこれらは原料として最も優良なものである。蛾が発蛾する際にアルカリ性の液を出して、その頭部にあたる繭層を潤しこれを押破って出るのでその部分の繊維は殆んど切断されていない。 |
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摘桑 |
てきそう |
picking of leaves |
平易には桑摘みといい、桑園の桑枝から桑葉を摘みとることをいう。広義には春季の芽桑の掻きとり収穫や、夏秋期の稚蚕飼育(桑葉育)における全芽育成からの収穫なども含めていう場合がある。 |
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デニール |
デニール |
denier |
繊維の太さを表わす単位の1つ。糸長450mで0.05gあるものを1デニールと定められている。 |
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天蚕 |
てんさん |
antheraea yamamai |
ヤママユガ科に属する野蚕で、日本全域および韓国に分布する。クヌギ、コナラ、クリ、カシワ、カシなどを食し、年1回発生、卵で越冬する。繭は緑色である。天蚕糸は古くから絹織物の綾織として混織されており、その染色しにくい特徴から珍重されてきた。現在も高級織物として評価が高い。 |
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電子顕微鏡
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でんしけんびきょう |
electron microscope |
原理的には光学顕微鏡と類似しているが,光線の変わりに波長の短い電子線を利用し,光学レンズの変わりに可変電磁場を利用した電磁レンズを用いている。微細な構造体の観察に向いている。 |
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電床育 |
でんしょういく |
electric-hotted-bed rearing |
保温に電熱温床を用いた飼育施設で稚蚕を飼育する方法の総称。紙張電床、ブロック電床、土室電床など。 |
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天竜育 |
てんりゅういく |
"tenryu"type rearing(method) |
昭和18年頃長野県下伊那地方で蚕業技術指導員によって創案された稚蚕共同飼育の1つの形式。大部屋で大きな箱を積み上げて稚蚕飼育を行うのが特徴である。 |
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同功繭 |
どうこうけん |
double cocoon |
〔別名〕玉繭(たままゆ)。2頭まれに3頭以上の蚕が共同して作った繭。ちぢらが粗く不鮮明で繭は丸味を帯びて硬い。玉糸、つむぎ糸、真綿などの原料として用いる。 |
と |
吐糸 |
とし |
spinning |
絹糸腺で合成蓄積していた絹蛋白質を吐糸口から吐き出すこと。この過程で液状の絹蛋白質は物理的要因により繊維化する。吐糸は主として営繭のために行われるが、眠前や脱皮後にも少量の吐糸がみられる。 |
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土中育 |
どちゅういく |
rearing in ridge |
壮蚕簡易飼育形式の1つ。主として桑園の畦間に浅い溝を掘り、そこで条桑育を行う方法。この飼育法は、昭和35年から45年頃にかけて島根県下で広く普及したが、現在では、ごく一部の小規模養蚕農家で行われている程度。 |
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突然変異
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とつぜんへんい |
mutation |
一般には遺伝子の変化を言うが,染色体異常も含む。突然変異は,DNA構成塩基の変化によって起こるが,大きく分けると,誘発変異と自然変異にわけられる。変異を誘発する方法は,DNAのある成分の合成を妨げる方法がある。DNA分子の中に異なる塩基を取り込ませることもある。遺伝物質を紫外線や高エネルギー放射線にさらすことでも誘発される。人為的操作なしでも突然変異は生じるが,100万細胞に1個の割合で起こると言われている。 |
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土室育 |
どむろいく |
"domuro"type easy rearing |
〔別名〕群馬県式稚蚕簡易飼育。補温・補湿・換気装置のある屋根のついた厚壁土蔵造りの約1間四方の大きさの飼育室を1単位とする飼育施設で、稚蚕を飼育する方法。 |
な |
夏切 |
なつぎり |
summer pruning |
〔別名〕夏刈。春蚕期の収穫の際あるいは収穫後に桑の枝を伐採することで、春切に対していう。 |
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夏肥 |
なつごえ |
fertilizer applied in summer |
桑の場合、春蚕期(5月を中心とする)のあとに施用される肥料。桑は7月中旬からおよそ1ヶ月間の生長量が極めて大きいので夏肥を十分に施用する。 |
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生繭 |
なままゆ |
fresh cocoon |
殺蛹、乾繭などの処理を受けていない繭。農家が出荷する段階では生繭である。 |
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生繭検定 |
なままゆけんてい |
fresh cocoon testing |
普通の繭検定のことで、繭出荷時に検定供用繭を生繭出荷口の中から採取して行う検定。乾繭検定に対していう。 |
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南西諸島 |
なんせいしょとう |
south west island |
沖縄を中心とする奄美大島(あまみおおしま)から西表島(いりおもてじま)までの亜熱帯海域にひろがる島々のこと。 |
に |
二化性 |
にかせい |
bivoltine |
蚕が自然状態で1年に2回孵化する性質。現在の実用品種の大部分は二化性である。 |
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日本種 |
にほんしゅ |
japanese race |
日本在来の品種およびこれらをもとに改良した品種。形蚕が多く、多湿に強い。飼育日数は一般に長く、一化性と二化性がある。繭は縊れの深い俵形。現在の日本種といわれているものには欧州種の血が導入されたものが多い。なお、形蚕(かたこ)とは、蚕の胸部と腹部に斑紋のあるものをいい、斑紋の全くないものを姫蚕(ひめこ)という。 |
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日本住血吸虫 |
にほんじゅうけつきゅうちゅう |
japanese bilharzia |
ミヤイリガイを中間宿主とする寄生虫で水田の農作業などでヒトや家畜(かちく)に感染する。現在では日本全土で絶滅(ぜつめつ)したといわれる。 |
ぬ |
|
ぬ |
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ね |
根刈仕立 |
ねがりじたて |
low-cut training |
〔別名〕低幹仕立。桑の仕立法を主幹の高さで分ける場合、株面を地平面から凡そ30cm以下に低く仕立てる方法をいう。なお、根刈仕立は全国各地に分布し、桑栽培面積の約7割を占めている。 |
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年間条桑育 |
ねんかんじょうそういく |
shoot rearing throughout seasons |
いずれの飼育時期においても壮蚕の給桑を条桑で行う飼育方式。そのため桑園は計画的に年間を通じて条桑の状態で収穫できるように仕立てておく必要がある。 |
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年間条桑収穫 |
ねんかんじょうそうしゅうかく |
shoot-harvesting method for all rearing seasons |
年間の各蚕期を通じて条桑で収穫する方法の総称で、春切法・夏切法・株上法・輪収法・交互法などは代表的なものである。 |
の |
農蚕具費 |
のうさんぐひ |
implements for farming and sericulture cost |
養蚕に使用した農(蚕)具に関係する費用をいい、農機具、自動飼育装置などの償却費のほか修繕費、小農具などの購入補充費を含む。 |
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膿病
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のうびょう |
nuclear polyhedrosis disease |
蚕の核多角体病を示す慣用語。核多角体病とは,昆虫の血球,脂肪体,真皮など各種の組織細胞の核内に多角体を形成するウィルス病である。体液は白濁し,環節が肥大化し,徘徊行動が活発となって病気を急速に拡大させる。このウィルスを利用した研究の紹介が別項目に記載されているので参照されたし。 |
は |
配蚕 |
はいさん |
delivery of silkworms(to each farmer) |
稚蚕共同飼育が終わり、個々の農家にその蚕を配ること。 |
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廃条 |
はいじょう |
waste mulberry shoot |
飼育によって堆積した条桑育蚕座上に食い残した条、または条払い作業によって熟蚕を分離した後の条。 |
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配桑 |
はいそう |
setting of the mulberry before supply |
給桑のために桑葉を貯桑場所から出して蚕座の近くに配置すること。 |
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買桑費 |
ばいそうひ |
mulberry purchasing cost |
養蚕農家が蚕児飼育のために購入した桑葉代金をいい、購入に要した付帯費用も含まれる。なお、自家の未成桑園や山桑の桑葉を給桑した場合は桑葉を市価で評価し、費用として計上している。 |
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掃立 |
はきたて |
begininig of silkworm rearing |
孵化した蚕を蚕座に移して飼育を開始する作業。羽箒をもって毛蚕を掃き下ろすことからいう。通常、春蚕の掃立適期は桑の脱苞後20~30日目、5開葉ごろといわれている。 |
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掃立卵量 |
はきたてらんりょう |
amount of silkworm eggs used |
養蚕農家等が掃き立てた稚蚕の数量(正常卵2万粒をもって1箱)を掃立卵量という。また、養蚕農家等が桑の生育状況等を考慮して、蚕種の申込みを行った数量を基準掃立卵量という。 |
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バクテリア |
ばくてりあ |
bacteria |
生物のなかで、いちばん小さな単細胞生物。醗酵(はっこう)や腐敗(ふはい)をおこす。種類によってはヒトの健康を害する病原ともなる。 |
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箱 |
はこ |
egg case |
蚕卵を収容して催青する箱。蚕の卵2万粒、1万粒、5千粒入りなどの箱がある。また掃立の単位として用いる。掃立箱数を示す場合は2万粒入りの箱数で表わす。 |
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箱当たり収繭量 |
はこあたりしゅうけんりょう |
cocoon yield per single egg case |
蚕種1箱(20,000粒)からとれる普通繭収量。 |
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畑 |
はたけ |
upland field |
田以外の耕地をいう。通常、畑と呼ばれている普通畑のほか、樹園地及び牧草地を含む。なお、宅地を畑として利用しているいわゆる宅地畑や温室・ハウス等の施設をもった畑も含まれる。 |
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伐採 |
ばっさい |
shoot cut,shoot-trimming |
〔別名〕刈取。桑の枝を切りとること、または桑を条桑で刈取り収穫すること。 |
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羽二重 |
はぶたえ |
"habutae" |
たて・よこ糸に無よりの生糸を使用した主として平織の後練織物。たて糸はおさ1羽に2本入れとして、湿したよこ糸で製織する。糸使いにより片羽二重、もろ羽二重;織物組織により平羽二重。あや羽二重、朱子羽二重、紋羽二重などがある。 |
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早掃 |
はやばき |
ahead rearing in the season |
本来は春蚕期において早い時期に掃立てることを意味したが、これが転じて、各蚕期において早く掃立てることにも用いられるようになった。晩掃に対する言葉。 |
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ばら種 |
ばらだね |
loose eggs |
台紙からはずしたばらばらの蚕種(卵)。普通蚕種は糊を塗布した耐水クラフト紙や寒冷紗上に混合産卵させ、後にこれを流水で洗落して1粒1粒にする。 |
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春植 |
はるうえ |
spring planting |
桑苗を早春発芽前に本圃に栽植することで、秋植よりも一般的に行われている。 |
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春切り |
はるきり |
spring pruning |
〔別名〕彼岸切。春発芽前(3月下旬)に桑の枝を切りとること。その後に生長した枝条を夏秋蚕用に収穫する。 |
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春肥 |
はるごえ |
fertilizer applied in spring |
春季に彼岸前後を中心に施用する肥料。 |
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春採り蚕種 |
はるとりさんしゅ |
eggs produced in spring |
春蚕期に飼育した蚕が蛾になって産んだ卵。 |
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晩秋蚕期 |
ばんしゅうさんき |
late autumn rearing season |
初秋蚕期の次蚕期で、関東の場合おおむね8月下旬に掃き立てる蚕をいう。 |
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晩々秋蚕期 |
ばんばんしゅうさんき |
later autumn rearing season |
晩秋蚕期の次蚕期で、関東の場合おおむね9月上旬に掃き立てる蚕をいう。 |
ひ |
飛蝗 |
ひこう |
migratory locust |
大量発生したトノサマバッタが空をうめつくすほどの密度で大地を移動し、植物を食いつくす行動を飛蝗という。バッタの生活密度が増すと大量発生するといわれている。 |
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被子植物 |
ひししょくぶつ |
angiosperm |
花をさかせ実をつける高等植物。さまざまな環境に適応し、地上でもっとも繁栄している。心皮(しんぴ)が胚芽(はいが)をつつみ袋状につき、子房(しぼう)をもつ。 |
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一越ちりめん |
ひとこしちりめん |
"hitokoshi" crepe (pick and pick crepe) |
たて糸に無よりの生糸、よこ糸にS・Z強ねんの生糸を1本交互に使用した平織のちりめんの一種。きめの細かいしぼ立ちを特色とする。 |
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病害 |
びょうがい |
disease injury |
真菌、細菌、粘菌及びウイルス類等の病原菌(体)が、作物中に寄生することによって生ずる被害をいう。養蚕の場合、桑病害では桑紫(白)紋羽病・桑萎縮病・桑縮葉細菌病など、蚕病害では核多角体病(膿病)・細胞質多角体病(中腸型)・伝染性軟化病(ウイルス性)・硬化病などがある。 |
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平飼い |
ひらがい |
flat rearing |
固定した広い蚕座をつくり、給桑の度に蚕座を移動することなく、全葉または全芽を使って壮蚕を飼う方法。 |
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微粒子病
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びりゅうしびょう |
pebrin |
微粒子病原虫を病原体とするカイコの病気。胞子は蚕の糞とともに排泄され,経口的に伝染する。この病原体を持つ母親の蛾から卵を経て伝染することもあり,次世代に甚大な被害をもたらすことがある。そのために,母親の蛾を検査することが義務付けられている。 |
ふ |
風合 |
ふうあい |
feeling |
繊維の物理的性質と、繊維が作り出す織物の腰の強さ・柔らかさなどの感じのことで、普通手で触れたときの感覚でその優劣を表わす。 |
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フェロモン
|
ふぇろもん |
pheromone |
動物が体外的に放出する化学物質のことで,同種他個体に特有な行動や発育分化を起こさせる活性物質の総称。カイコガのフェロモンが有名で,別項目に詳細な記載があるのでその項目を参照されたし。 |
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孵化 |
ふか |
hatch |
卵殻を食い破って蟻蚕が卵外へ出ること。口からアルカリ性の液を出し卵殻を溶解軟化し口器を動かして侵食し孔をあけ、次に大顎でかじりながら孔を拡げ、ふ化孔を作り卵外へ出る。 |
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孵化歩合 |
ふかぶあい |
hatchability |
供試卵数に対する孵化卵数の割合。供試卵数を受精卵に限る場合と、死卵・不受精卵を含めた総卵をとる場合とがある。 |
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複眼 |
ふくがん |
compound eyes |
個眼と呼ばれる凸レンズ状のたくさんの小さな眼が集まってできた眼。ほとんどの昆虫は複眼と単眼(たんがん)をもち、単眼は明るさを感じるだけの眼といわれている。 |
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副蚕糸 |
ふくさんし |
by-product silk |
生糸を製造する過程で繭層から出る屑物の総称で、きびそ・びす・揚繭(あがりまゆ)などをいうが、繭けば・下繭(穴あき繭など)なども含まれる場合がある。 |
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歩桑桑園 |
ぶぐわそうえん |
maggot-free mulberry field |
カイコノウジバエの産卵のない桑を歩桑といい、特に種繭養蚕用として必要である。 |
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普通蚕種 |
ふつうさんしゅ |
eggs for silk production,commercial eggs |
糸繭生産用に製造された交雑蚕種。原蚕種または原々蚕種に対して用いる語。 |
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普通桑園 |
ふつうそうえん |
common mulberry field |
一般に、種繭用桑園にたいして糸繭用桑園をいう。 |
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普通繭 |
ふつうまゆ |
reelable cocoon |
選除繭に対する語で、製糸原料(生糸用)として用いられる繭。上繭も同じものを指すが、これは中・下繭に対する語。 |
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冬肥 |
ふゆごえ |
fertilizer applied in winter |
〔別名〕寒肥(かんごえ)。畦間の中央に大き目の溝を掘り、堆きゅう肥などの遅効性の有機質肥料を施与すること。 |
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腐葉土 |
ふようど |
leaf mold |
広葉樹の落ち葉が積み重なり、土中の微生物(びせいぶつ)によって分解されてできた土。植物の栄養になり、さまざまな昆虫の餌(えさ)や幼虫のすみかとなる。 |
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文化蚕種 |
ぶんかさんしゅ |
eggs produced in late autumn |
晩秋あるいは晩々秋どりの越年蚕種(卵)。低温になってから採種するので、産卵後の保護に特別の注意が必要。 |
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分泌物 |
ぶんぴつぶつ |
secreted substance |
ホルモンなど腺細胞(せんさいぼう)が作って放出する物質のこと。クロシジミチョウの幼虫やアブラムシなどは分泌物を出してこれを好んで食べるアリと共生関係をもつ。 |
へ |
|
へ |
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|
ほ |
訪花昆虫 |
ほうかこんちゅう |
pollinator |
ハチやチョウなど花をおとずれ花粉や蜜(みつ)を餌(えさ)とする昆虫。花粉や蜜を求めて花に集まる昆虫は体にたくさんの花粉を付け、花から花へ飛び回り植物の受粉をたすけている。 |
|
防寒紙育 |
ぼうかんしいく |
coverd rearing |
〔別名〕パラフィン紙育。通気性が小さく吸湿性の少ない紙(パラフィン紙)で蚕座の上下または上面のみを覆い、桑葉のしおれを防いで飼育する方法。主として稚蚕期に用いられる。上面のみを覆うのを半防乾紙育という。 |
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放射線 |
ほうしゃせん |
radioactive rays |
α線(アルファ線)、β線(ベータ線)、X線(エックス線)、γ線(ガンマ線)などのことで、物質中で原子(げんし)を電離(でんり)する能力をもつものをいう。 |
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防除 |
ぼうじょ |
control |
病虫害・気象災害から作物を護ること。防除には耕種的・生態的・生物的・物理的・化学的などの方法がある。 |
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防霜 |
ぼうそう |
frost control |
作物を霜の害から護ること。被覆法・燃焼法・散水法・送風法・燻煙法などがある。 |
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補桑 |
ほそう |
supplemental feeding |
あらかじめ定めた給桑時刻と次回の給桑時刻の間において、少量の桑を補い与えること。 |
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ポリフェノール |
ぽりふぇのーる |
polyphenol |
芳香族炭化水素核(ほうこうぞくたんかすいそかく)の2個以上の水素原子を水酸基(すいさんき)で置き換えたもので,昆虫の植物への害作用をポリフェノールが妨害(ぼうがい)する。最近は健康に良い植物成分として注目され、健康に有害な活性酸素(かっせいさんそ)を減少させる効果があるといわれている。光合成する植物には全て含まれている。 |
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本桑園 |
ほんそうえん |
pure mulberry field |
桑栽培を主目的とする桑園。桑以外の作物を作るために、ことさら畦間を広くするようなことはしない桑園。混作桑園・見積もり桑園に対していう。 |
ま |
蔟 |
まぶし |
cocooning frame |
蚕が繭をつくる足場にする器具。回転蔟(板紙蔟)、改良蔟、スチロール蔟などがある。 |
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繭 |
まゆ |
cocoon |
熟蚕が吐糸口から絹物質を吐きながら形成したもの。吐糸を終わった蚕はその中で脱皮化蛹する。 |
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繭価格 |
まゆかかく |
price of cocoon |
繭は取引の円滑公正を期するために各繭生産県にある繭検定所の検定を受けることになっており、この検定成績(品質の良否、生糸の多少等)によって繭の価格が決められ取引される。 |
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繭格 |
まゆかく |
cocoon grade |
繭検定によって得られた荷口繭の品位の等級。繭糸長成績と解舒率成績とから点数を付し、上位から優等格・1等格・2等格・3等格および4等格の5等級に区分する。 |
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繭検定 |
まゆけんてい |
cocoon certification |
製糸原料としての繭の価格を知るために繭の品質を調べることで、都府県繭検定所が選除繭歩合・繭糸長・解舒率・繭糸織度および生糸量の5項目について検定していた。 |
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繭検定制度 |
まゆけんていせいど |
cocoon testing system |
繭の品質は、外観だけでは見分けにくく、実際に繰糸してみないと分からないという特徴がある。現在の取引は、繭検定所で繭を繰糸して検定を行い、その結果に基づいて繭価格を定めるようにしていた。 |
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繭生産費 |
まゆせいさんひ |
production cost of cocoon |
繭の一定単位の生産に消費した経済価値の合計額である。つまり繭の生産に要した物財費・労働費などの価値の合計をいう。「繭生産費調査」では費用合計から副産物価格を除いたものを第一次生産費とし、さらに資本利子及び地代の両費目を加えたものを第二次生産費としている。 |
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繭特約取引 |
まゆとくやくとりひき |
transaction of cocoon based on a special contract |
製糸会社と特定の養蚕組合との間に、一定の条件付で行われた繭の予約取引。明治末期郡是製糸の正量取引を契機に漸次普及していき、その特徴は会社が繭の鑑定に多くは繰糸試験をとりいれ(後には府県の繭検定)、また農家に蚕種・肥料などの配給、資金の前貸および養蚕指導員の派遣などを行って、優良繭の確保に努めた。昭和恐慌期をつうじて普及し、昭和16年蚕糸業統制法実施以前まで続いた。 |
|
真綿 |
まわた |
floss silk |
繭を酸性炭酸ナトリウム(重曹)あるいは灰汁で煮て、わた状に引きのばしたもの。主としてつむぎ糸の原料とする。 |
み |
未化蛹蚕 |
みかようさん |
unpupated larva |
繭の中でまだ蛹になっていない蚕。未化蛹蚕は産業用語であって、学術用語の前蛹(prepupa)とほぼ同義である。 |
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未熟蚕 |
みじゅくさん |
premature(immature)larva |
熟蚕に対していう言葉で、熟蚕にまでいたらずあと僅か食桑すれば熟蚕になる状態の蚕。 |
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未成桑園 |
みせいそうえん |
incompleted mulberry field |
桑を植付けてから3~4年の若い桑園。 |
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密植桑園 |
みっしょくそうえん |
dense planting mulberry field |
慣行桑園に比べ、一定面積に対して栽植本数の多い桑園のこと。近年、密植桑園は多植桑園と密植桑園とに分けて称されているが、10a当たり栽植本数では、普通桑園の場合1,000本未満、多植桑園の場合、1,000~2,000本、密植桑園の場合2,000本以上とされている。 |
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蜜腺 |
みつせん |
honey gland |
アブラムシなどにある分泌物が出るところ。 |
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見積り桑園 |
みつもりそうえん |
estimated mulberry field |
主として桑園の面積統計に用いられる桑園の区分。普通畑の周囲桑、宅地・畦畔などに散在する桑樹をその繁茂程度によって面積に換算したもの。本桑園。混作桑園に対していう。 |
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眠 |
みん |
molting |
蚕が桑を食べるのをやめて脱皮のために、静止する時期またはそのようになった状態。 |
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眠蚕 |
みんさん |
molting silkworm(larva) |
脱皮のため動かずに、静止している蚕。 |
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眠除 |
みんじょ |
bed-cleaning before molting |
眠前に行う除沙のこと。蚕の眠中および起蚕時の環境を良くするために行う。 |
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眠性 |
みんせい |
moltinism |
幼虫期に何度眠るか(脱皮するか)という性質。普通の蚕は四眠性であるが、その他に三眠性、五眠性などがある。 |
む |
|
む |
|
|
め |
|
め |
|
|
|
メンデルの法則
|
めんでるのほうそく |
Mendel 's law |
メンデルが「植物雑種に関する実験(1865年)」で明らかにした遺伝の根本法則のことで,1900年に再発見され”メンデルの法則”として呼ばれるようになった。一般には,分離の法則,独立の法則,優劣の法則の三つとする。メンデルの法則が一般の植物のみならず,動物界でも広く適用されることが証明されており,外山亀太郎(1906年)のカイコの研究が有名である。 |
も |
|
も |
|
|
や |
野蚕 |
やさん |
wild silkworm |
鱗翅目ヤママユガ科(Saturniidae)等に属し、繭を作る昆虫の総称で、このうち、エリ蚕・サク蚕・タッサー蚕・ムガ蚕などの繭は実用的価値があり、飼育されている。また桑蚕(桑園に野生する家蚕酷似の昆虫)を指すこともある。 |
|
野蚕繭 |
やさんけん |
wild cocoon,non-mulberry cocoon |
家蚕以外の昆虫が吐糸営繭した繭の総称。紡織繊維原料として実用的に使用されているものには、テン蚕、サク蚕、インドサク蚕、ムガ蚕、エリ蚕の繭がある。繭層の厚さが不均一なこと、テン蚕繭はセリシンが溶けにくいことなどのため繰糸は困難で、生糸収率は悪い。エリ蚕繭はボカ繭で繰糸不能のため、もっぱら絹糸紡績、つむぎ糸の原料となる。 |
|
野蚕糸 |
やさんし |
wild silk yarn |
家蚕以外の蚕の繭から得られる生糸、練糸、紡績糸、つむぎ糸などの総称。天蚕糸、さく蚕糸、エリ蚕糸などがある。 |
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山なり式桑園 |
やまなりしきそうえん |
mulberry field in natural slope |
15度以下8度ぐらいまでの緩傾斜地において、傾斜面にそってそのまま開墾整地して山なりに造られた桑園をいい、急傾斜地ではテラス式桑園が造られる。 |
ゆ |
友禅染め |
ゆうぜんぞめ |
"yuzen"printing |
糊防染による紋様染めで、花鳥、風景その他の紋様を種々の色彩で美しく染めたもの。江戸時代、宮崎友禅の創作といわれるが、つまびらかでない。友禅型染めに対して、手描き友禅染めともいわれる。 |
よ |
養蚕 |
ようさん |
sericulture |
桑を栽培し、蚕を飼うこと。アジアからインド、中近東では数千年前から蚕(かいこ)を飼育し、蛹(さなぎ)の部屋となる繭(まゆ)から絹糸をとり絹織物の原料としてきた。日本でも昔から全国各地で飼育され、明治から昭和にかけて絹糸が日本の特産輸出品としてアメリカやヨーロッパにひろく輸出された。 |
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養蚕依存度 |
ようさんいぞんど |
degree of reliance on cocoon income |
農業所得にしめる養蚕部門所得の比率をいう。 |
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養蚕協業経営 |
ようさんきょうぎょうけいえい |
cooperative sericultural farm (management) |
2戸以上の世帯が共同で出資または借入による資金で養蚕を行い、さらに生産物の販売、収支計算、収益の分配を共同で行う経営形態。 |
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養蚕経営 |
ようさんけいえい |
sericultural farm management |
養蚕を経営にとり入れている農業経営の一形態。また養蚕単一経営の意に用いられる場合もある。 |
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養蚕作業 |
ようさんさぎょう |
farm work in sericulture |
繭を生産するために必要な作業の総称。桑の栽培(栽桑)作業と蚕の飼育(育蚕)作業とに大別され、狭義には後者を意味する場合がある。 |
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養蚕主業的経営 |
ようさんしゅぎょうてきけいえい |
principal farm of sericulture |
養蚕部門に重点をおいた比較的大きな規模の経営。 |
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養蚕所得 |
ようさんしょとく |
sericulture income |
養蚕部門に投下した自家労働および自作地、自己資本に対する総合的報酬である。 |
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養蚕自立経営 |
ようさんじりつけいえい |
viable farm of sericulture |
正常な能率をもち、社会的に妥当な生活を享受しうる農業所得のうち、その大部分を養蚕部門から得られ、かつ近代的な家族関係を持つ経営。 |
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養蚕専業農家 |
ようさんせんぎょうのうか |
sericulture full-time farm household |
養蚕を基幹部門とする専業農家。 |
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養蚕単一経営 |
ようさんたんいつけいえい |
monoculture farm of sericulture |
農林水産省統計情報部が用いている農業経営組織別分類の1区分。農産物販売収入のうち、養蚕部門が80%以上をしめる経営。 |
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養蚕農家 |
ようさんのうか |
sericultural farm |
養蚕を経営の一部または全部に取り入れている農家。農水省の養蚕統計によれば「蚕児を飼育して繭を生産する事業を行う農家」とされている。 |
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養蚕農家普及率 |
ようさんのうかふきゅうりつ |
percentage of sericultural farm |
養蚕農家数の総農家数に対する割合。養蚕の普及程度を示す。 |
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養蚕農業協同組合 |
ようさんのうぎょうきょうどうくみあい |
sericultural cooperative association |
養蚕を対象とする農業協同組合。昭和22年制定の農協法によって設立されているもので、総合農協に対して専門農協として区分され、非出資組合が多く、地区も一般に町村単位より小さい。事業は生産指導、繭の共同販売、生産資材の共同購入などを中心に行っている。 |
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養蚕費用 |
ようさんひよう |
cost of silkworm raising |
繭の生産に要した費用で、蚕を飼育し繭を生産するために要した一切の物財費、労働費、減価償却費である。 |
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葉質 |
ようしつ |
leaf quality |
飼料としての葉の性質で、物理学的、化学的、生物学的諸性状から良否を判定する。 |
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蛹室 |
ようしつ |
cell |
幼虫が蛹(さなぎ)になる前に、外敵から身を守るためにつくる蛹に変化するための部屋。 |
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幼若ホルモン |
ようじゃくほるもん |
juvenile hormone |
〔別名〕アラタ体ホルモン。昆虫のアラタ体から分泌されるホルモン。このホルモンと前胸腺ホルモンとが共同して幼虫脱皮を誘導する。 |
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幼虫 |
ようちゅう |
larva |
昆虫が孵化(ふか)してから成虫になる前までの姿で変態(へんたい)の段階のひとつ。完全変態をするチョウ、カブトムシ、ハチなどの幼虫はイモムシ、毛虫型またはウジ型で、蛹(さなぎ)をへて成虫となる。不完全変態をするセミ、バッタなどの幼虫は成虫のような翅(はね)はないが、からだの形は成虫にちかく、幼虫が羽化して成虫となる。 |
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用途別桑園 |
ようとべつそうえん |
mulberry field for special use |
用途によって区分された桑園。飼育期、蚕児の齢、繭の用途などによる区分が行われている。 |
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揺籃 |
ようらん |
cradle |
オトシブミ特有の生態で葉を巻いて作る幼虫の部屋。揺籃とは赤ちゃんのベット「ゆりかご」を意味する言葉。 |
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横伏せ法 |
よこぶせほう |
"yokobuse"layering |
取木法の一種であるが、母株からの取木ではなく苗木の圧条によるものである。苗木を斜に植え付けておき、新梢が約20cmになったところ土中に曲げ込む。 |
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寄畦式桑園 |
よせうねしきそうえん |
grouped row system of mulberry field |
1枚の桑園の中で畦間を等間隔にしないで、2畦ずつ近接させて広狭2通りの畦間を作り、広畦には他の作物を間作し、桑と間作物で収益を上げる桑園をいう。 |
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四眠蚕 |
よんみんさん |
four-moler,tetramolter |
1世代に4回眠り(4回脱皮し)上蔟する蚕。最も普通のものである。 |
ら |
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ら |
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り |
緑蚕上蔟 |
りょくさんじょうぞく |
mounting of premature larvae |
〔別名〕若あげ。熟蚕にならないうちに早めに上蔟すること。一般に、蚕の経過が不斉で、条払い上蔟(一斉上蔟)が行われた場合にみられるが、繭質は低下する。 |
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輪収法 |
りんしゅうほう |
two-years rotation of mulberry harvest |
春切と夏切を2年以上にわたって年々循環させる収穫法で、1春1夏・1春2夏・2春1夏などの組合せがある。 |
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綸子 |
りんず |
"rinzu"(satin check habutae) |
たて・よこ糸に無よりの生糸を使用し、表朱子と裏朱子によって紋様を織り出した生織物。製織後精錬して白生地のまま吉凶の和服などに用い、また染色して裏地、下着、帯などに用いられている。5枚または8枚朱子、1/7斜紋、4枚破れ斜紋などの表裏で紋様を表わす。またこれに類似の織物。 |
る |
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る |
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れ |
齢 |
れい |
instar,stage,age |
節足動物特に昆虫類において、幼虫の発育段階を区分する際に用いる。孵化してから第1回の脱皮(第1眠)までの期間を1齢、ついで2齢、3齢などという。 |
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齢 |
れい |
instar |
脱皮(だっぴ)をくりかえし成長する幼虫の発育段階のことで、卵から孵化(ふか)した幼虫を1齢といい、脱皮するごとに2齢、3齢と数える。蛹または成虫になる直前の幼虫を特に終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)という。 |
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連関
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れんかん |
linkage |
連鎖ともいう。二つ以上の非対立遺伝子が同一染色体上に乗っているため,独立の法則(メンデルの法則)から期待される以上に高い頻度で結びついて行動することをいう。即ち,同一染色体上の遺伝子群の結合をいう。 |
ろ |
老朽桑園 |
ろうきゅうそうえん |
degraded mulberry field |
樹勢が衰弱して生産が減退した樹齢15年以上の桑園で、このような桑園は樹勢更新を行うか改植をして、生産能率を回復する必要がある。 |
わ |
矮小枝 |
わいしょうし |
dwarf branch |
1株のなかで生育の著しく劣った枝をいい、普通最も長い枝の長さの1/4に満たないものを矮小枝として区別している。 |
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早生 |
わせ |
early maturing |
1年を期間とし、農作物の収穫時期が早い順から早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)という。 |
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藁蔟 |
わらまぶし |
straw cocoon frame |
わらを主材料として作った蔟の総称。現在、上蔟に用いられている蔟器の大部分は回転蔟(板紙蔟)であるが、再上蔟用には、わら蔟が使用されている農家もある。 |