ホログラフィック光ツィーザ・機能的光ピンセット
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ホログラフィック光ツィーザは,空間光変調器を用いて集光レーザスポットパターンを発生させ,サブミクロンから数ミクロンの微粒子を非接触,非破壊で、運搬し配列する技術です.この技術の原理は,光の圧力です.

図1に,本研究が目的とするシステムjの概念図を示します.生きた細胞が顕微場に複数個存在しています.これらを予め設計したパターン通りに,ディスプレイ上のカーソルをマウスで操作して配列しようと考えています.このとき,顕微場の様子は,コンピュータディスプレイ上で観察できます.ディスプレイ上で並べたい細胞を選択し,配列用のビームスポットアレイまでマウスでドラッグすることによって運搬と配列を実現します.

図2に空間光変調器と光学系を示します.空間光変調器を用いると,照射された光波の位相と振幅を,コンピュータで作成した位相分布と振幅分布に従って変調することができます.位相と振幅が変調された光を顕微鏡の対物レンズの焦点面まで導波し,予め設計した光強度パターンを発生させます.

図3には,発生させた光強度パターンと各ビームスポットに補足された3ミクロンのポリスチレン球を示します.光強度パターンを次々と変化させることによって,微粒子群を同時に移動させることができることを示しています.図4は,配列用の固定パターンと運搬用の移動パターンを同時に発生させる実験です.3つのポリスチレン球を直線上に固定配列し,他の1つの粒子をスラロームさせています.図5は,4つのイースト菌を回転させながら中心に近づけていく実験です.
図1 ホログラフィック光ツィーザの概念図
図2 空間光変調器と光学系
図4 固定・移動スポットの同時発生
図3 光スポット操作と複数粒子の操作
図5 複数のイースト菌の操作