(研修6:斎藤淳一)
1.安全指針に従った組換えDNA実験の流れ
実験計画の立案
・宿主−ベクタ−系および供与体DNAがガイドラインに適合したものであるかを検討した上で、立案する。
所属長の同意
・実験の実施に関して所属機関の長の同意を得る。その際、各学校の状況に応じて申請書等を作製する。(別紙書式1..2参照)
実験準備
・宿主・ベクタ−・DNA供与体を入手し、実験器具・試薬等の準備・確認を行なう。
・実験を安全におこなうため、生徒に対しては事前指導を十分に行なう。
実験実施
・安全面に十分配慮した上で、実験を行なう。
実験後の処理
・組換え体・実験器具・試薬等の滅菌・廃棄を適切に行なう。
記録書類の保管
・実験終了報告書(別紙書式3.参照)等を作製し、保管する。
2.安全管理のための自己点検表
実験前
□ 組換え実験の内容は、ガイドラインに添うものであることを十分に検討した。
□ 組換え実験をおこなうにあたり、所属の長の同意を得た。
□ 組換え実験を行なうにあたり、実験室は整理され清潔が保たれ、食品の保存、飲食等はおこなわれていない。
□ 生徒に対して組換え実験の原理や無菌操作について十分な指導を行なった。
□ 生徒に対してバイオハザードを防ぐための方法について十分指導をおこなった。
実験時
□ 実験室の窓および扉は閉じていた。
□ 実験室内で飲食や化粧等の行為は行なわれなかった。
□ 実験前後に実験机の上をアルコ−ル等で消毒した。
□ すべての操作は飛沫が飛び散らないよう慎重におこなった。
□ 実験終了後は必ず手を洗った。
実験後
□ 組換え体を一時的に保管する場合はシャ−レをパラフィルム等でシールし、4℃に置いた。
□ 組換え体は煮沸または消毒液の投入等の措置により滅菌し、廃棄された。
□ 組換え体の付着した実験器具(プレ−ト、マイクロチュ−ブ、ピペット)はすべて滅菌し、廃棄された。
□ 組換え体の廃棄方法を記録した実験終了報告書等を記録し、保管した。
書式1
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第 号 教育目的組換えDNA実験計画承認申請書(記入例) |
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平成 13 年 8 月 17 日 |
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学校長殿 |
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実験指導責任者氏名 斎藤淳一 ㊞ |
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このたび下記のとおり教育目的組換えDNA実験を行ないたいので、ご承認願います。なお実験指導責任者は東京農工大学遺伝子実験センタ−主催による「2001年度組換えDNA実験教育研修会」において所定の課程を終了しており、またこの実験は文部科学省組換えDNA実験指針第9章「教育目的組換DNA実験指針」に定められた実験系を用い、同指針に定められた方法で安全性を確保して実施いたします。 |
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授業科目名 |
生物II |
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実験課題名 |
大腸菌の形質転換 |
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実験内容 |
オワンクラゲのGFP(Green Fluorescent Protein)遺伝子を大腸菌に導入し、形質転換をおこなう。 |
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実験方法 |
宿主 |
ベクタ− |
供与体DNA |
封じ込めレベル |
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大腸菌K12(株:HB101) |
pGLO (pBR322由来) |
GFP遺伝子 |
P1相当 |
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組換え体の廃棄方法 |
オ−トクレ−ブ(高圧蒸気滅菌器)による滅菌 |
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使用教室 |
218教室 |
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実験実施期間 |
平成13年9月3日〜9月8日 |
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実験生徒名 |
生物II選択者 20名 (詳細は別紙名簿参照) |
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添付書類 |
生徒名簿、実験マニュアル、BIO-RAD社形質転換キットカタログの写し |
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上記の願い出について承認する。 |
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平成 13 年 8 月 20 日 |
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東京学芸大学教育学部附属高等学校校長 松 村 茂 治 ㊞ |
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書式2
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第 号 教育目的組換えDNA実験計画届け出書(記入例) |
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平成 13 年 8 月 17 日 |
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学校長殿 |
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実験指導責任者氏名 斎藤淳一 ㊞ |
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このたび下記のとおり「教育目的組換DNA実験」に関する届け出をおこないます。なお実験指導責任者は東京農工大学遺伝子実験センタ−主催による「2001年度組換えDNA実験教育研修会」において所定の課程を終了しており、またこの実験は文部科学省組換えDNA実験指針第9章「教育目的組換DNA実験指針」に定められた実験系を用い、同指針に定められた方法で安全性を確保して実施いたします。 |
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授業科目名 |
生物II |
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実験課題名 |
大腸菌の形質転換 |
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実験内容 |
オワンクラゲのGFP(Green Fluorescent Protein)遺伝子を大腸菌に導入し、形質転換をおこなう。 |
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実験方法 |
宿主 |
ベクタ− |
供与体DNA |
封じ込めレベル |
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大腸菌K12(株:HB101) |
pGLO (pBR322由来) |
GFP遺伝子 |
P1相当 |
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組換え体の廃棄方法 |
オ−トクレ−ブ(高圧蒸気滅菌器)による滅菌 |
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使用教室 |
218教室 |
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実験実施期間 |
平成13年9月3日〜9月8日 |
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実験生徒名 |
生物II選択者 20名 (詳細は別紙名簿参照) |
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添付書類 |
生徒名簿、実験マニュアル、、BIO-RAD社形質転換キットカタログの写し |
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書式3
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教育目的組換えDNA実験終了報告書(記入例) 平成 13 年 9 月 8 日 学校長殿 |
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実験指導責任者 斎 藤 淳 一 ㊞ 組換えDNA実験を終了しましたので下記の通り報告いたします |
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授業科目名 |
生物II |
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実験課題名 |
大腸菌の形質転換 |
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形質転換実施日 |
平成13年9月4日 |
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実験内容 |
オワンクラゲのGFP(Green
Fluorescent Protein)遺伝子を大腸菌に導入し、形質転換をおこなう。 |
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実験方法 |
宿主 |
ベクタ− |
供与体DNA |
封じ込めレベル |
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大腸菌K12(株:HB101) |
pGLO (pBR322由来) |
GFP遺伝子 |
P1相当 |
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使用教室 |
218教室 |
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実験実施期間 |
平成13年9月3日〜9月8日 |
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実験生徒名 |
生物II選択者 20名 (詳細は別紙名簿参照) |
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組換体の数量 |
寒天プレ−ト16枚で培養 |
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組換体の廃棄日時 |
平成13年9月8日 |
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組換え体の廃棄方法 |
オ−トクレ−ブ(高圧蒸気滅菌器)による滅菌後、(平成13年9月8日○○(株)引取り) |
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添付書類 |
安全管理のための自己点検表、実験生徒名簿 |
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関連資料
I.形質転換キットを販売している会社リスト
BIO-RAD Labolatories
Life Science Research
Group
http://www.bio-rad.com
2000 Alfred
Nobel Drive Hercules, CA 94547
TEL: (510) 741-1000 FAX: (510) 741-5800
日本バイオラッドラボラトリーズ株式会社
〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-7-18 コスモパ−クビル
TEL:03-5811-6271 FAX:03-5811-6272
EDVOTEK The Biotechnology
Education Company
http://www.edvotek.com/
P.O. Box 1232 West Bethesda, MD 20827-1232 USA
TEL: 1.800.EDVOTEK
FAX: 1.301.340.0582
edvotek@aol.com
CAROLINA Carolina Biological Supply Company
http://www.carolina.com
TEL: 336-584-0381
carolina@carolina.com
NCBE
National Centre for Biotechnology Education
http://www.ncbe.reading.ac.uk/
The University of Reading
Whiteknights PO Box 228 READING RG6 6AJ
TEL: + 44 (0) 118 987 3743
FAX: + 44 (0) 118 975 0140
NCBE@reading.ac.uk
II.組換えDNA実験の教材化に関する文献
貝沼喜兵 1973 高校における分子遺伝学の実験学習における諸問題(1)生物教育14/3/5-11
貝沼喜兵 1973 高校における分子遺伝学の実験学習における諸問題(2)生物教育14/4/6-11
岩本昌之・篠沢隆雄 1989 高熱性細菌からのDNA抽出とそれを用いた形質転換
科学教育研究13/3/132-138
佐々木市平 1990 バクテリオファージによる形質導入実験 都生研会誌 26/7-11
貝沼喜兵・山根國男 1990 組替えDNA技術の教材化 教材生物研究 113/10-15
岩本昌之・篠沢隆雄 1991 生物教材としての細菌 Y.大腸菌を用いた遺伝子発現機構の教材化
科学教育研究 15/2/48-54
吉本和夫 1991 簡便な高校生物分子生物学実習の開発(1)大教大附属平野高校研究紀要 70-76
貝沼喜兵 1991 組換えDNA技術の実践 遺伝 45/4/28-34
貝沼喜兵 1991 形質転換実験 指導方法とその評価について 生物教育31/1/42-43
貝沼喜兵 1991 形質転換実験−指導方法とその評価について−生物教育31/2/115-134
貝沼喜兵et. al 1992 枯草菌を用いた形質転換 生物教育32/1/14-15
貝沼喜兵 1992 組換えDNA技術の教材化に関する実践的研究 生物教育32/1/40-41
貝沼喜兵・丹沢哲郎 1993 【組換えDNA技術の教材化】 生物教育33/1/72-73
吉本和夫 1994 簡便な高校生物分子生物学実習の開発(2)大教大附属平野高校研究紀要 31-40
貝沼喜兵 1994 組換えDNA技術の教材化 plasmedの抽出とcp-cellsの調整法
生物教育34/1/130-131
貝沼喜兵et. al 1995 形質転換実験の評価に関する実践的研究 生物教育35/1/49-50
貝沼喜兵 1995 形質転換VTRの教材化−目で見る形質転換−生物教育35/1/51-52
貝沼喜兵 1995 STSアプローチを用いた理科指導の実践とその評価−組換えDNA技術の指導を通して− 日本理科教育学会 研究紀要 35/3/11-20
吉本和夫 1998 大腸菌の形質転換 新しい生物実験の開発II 大教大附属平野高校研究紀要146-8
吉本和夫 2000 高校と大学の共同授業の試み-高校生に大学で遺伝子クローニングを
実体験させてみた- 遺伝 54/3/37-42