私たちの回りには、プラスチック、フィルム、ゴム、繊維そして液晶、発光素子など様々な有機材料が 使われています。白川先生がノーベル賞を受けた導電性ポリマーや超高性能エンジニアリングプラスチックなど ちょっと目につきにくいところに使われている有機材料も少なくはないのですが、有機材料の特徴の一つとして 人間と直接接するところに使われることが多いということが挙げられます。これが他の三大材料 〜金属材料と無機材料〜 と異なる点でもあります。

有機材料化学科では、このような有機材料の化学を正確に理解して安全かつ合理的に使いこなすことで、人類社会に貢献できる能力を持つ人材の育成を目指しています。

そのため、有機化学、物理化学、分析化学、無機化学などの科学全般の修得に加え、力学、電磁気学、光学などの基礎的な物理学の素養、さらに高分子化学や材料科学(基礎)などの専門基礎を身につけることができるような、基礎力育成重視のカリキュラムを実施しています。 学部4年生や大学院では、有機材料全般に加え、生分解性材料・発光プラスチック・プラスチック電池等の 機能性有機材料や基礎有機材料化学などを深く学びます。それらを通して、さらに高度な機能の実現を試みると ともに、有機材料が安全に使用・循環されるようにするグリーンケミストリーの実現を目指しています。卒業生は繊維・化学・薬品・官公庁を始め、電気電子・情報・機械など多岐にわたる就職先で活躍しています。また、半分以上の卒業生が大学院に進学しています。



有機材料化学科では、高分子を中心とした有機材料に対する基盤技術を将来に向けて継承することができる基盤力と得られた知識、技術、考え方をもとに、新規先端材料を創製できる展開を有する人材の養成を目的として、教育研究活動を行っています。学部、大学院における教育活動では、考える力、物事の本質的理解、知的好奇心を喚起できるような、授業体制を整えています。学部4年以上では、研究室に配属となり、有機材料に関しての独自性のあるオンリーワンの研究を行います。研究活動を通じて、これまでに得られた基盤を実践にうつすことで理解を深めるとともに、自ら研究を企画・立案し、マネージメントできる能力を身につけることが目標となります。