Sig-I-Con&Samp-Con:同一空間内においてパーソナルな情報を提示するグループ内会話促進システム

 
 

Samp-Con/Sig-I-Con(2008-2010)

向 恭平


近年のネットワーク技術の整備や発達,アプリケーション開発の発展に伴い,相手とその場を共有せずに対面でなくても話すことができるようになりました.しかしながら,テキスト情報による会話では相手の感情を伺いながらコミュニケーションをとることは困難であり,テレビ電話の場合であっても「撮られている」という抵抗感があることなどから,今後も対面での会話は引き続き求められると考えられています.

本プロジェクトでは,デジタルサイネージ(電子掲示板)を利用したシステムSig-I-Con(Signage for Increasing Conversation,右上)を開発し,オフィスのような同一空間に設置することを前提として同時に見ているユーザ同士の会話の促進を行うことを目指しています.Sig-I-Conにはただ情報を表示するだけではなく,サイネージに表示する内容は電子メールを使ってユーザ自身で入力することにより表示させること,入退室管理システムを実装して会話限定者のみの情報を表示すること,距離センサを設置してディスプレイに人が近づいたときだけ情報を表示するなどの工夫がなされており,これによってユーザが表示されている情報に興味を持ってもらいやすいようになっています.

 また,本プロジェクトで行われる実験は記録された会話を元に評価を行うことになるのですが,その際プライバシーに対する不安感といったユーザの負担を軽減するために,このための会話記録ツールSamp-Con(Sampling Conversation,右下)を開発し,ユーザに必要最低限の負担で正確な会話記録データを取得することができます.


本研究は以下で発表しました.

  1. 箇条書き項目(学生奨励賞)向恭平,藤波香織;“同一空間内におけるグループ内会話促進を目的としたデジタルサイネージシステム”,73回情報処理学会全国大会,2011年3月.