森林科学コース
Forest Environment

東京農工大学農学部地域生態システム学科森林環境学講座

森林科学コースの理念
 

 現在、地球環境は多くの問題に直面しています。人口増加の結果、不適切な人間活動や紙などの木質系資源の贅沢な消費によって、人類の生存に不可欠な森林は減少し、土壌荒廃(砂漠化)が引き起こされています。さらに、森林が減少した結果、CO2濃度が増加して温暖化が進み、酸性雨によって森林の衰退や土壌の劣化が加速されているばかりでなく、河川水質の悪化、渇水および洪水をもたらす異常気象など、早急に解決しなければならない問題が山積みになっています。これらは森林が地球環境と密接に関係があることを示しています。

 森林は建築材、家具材およびパルプなどの木質系資源の生産だけでなく、土壌を安定させて土砂崩れを防ぎ(国土保全)、「緑のダム」として水を蓄えて(水源かん養)、河川にきれいな水を供給する(水質浄化)とともに、葉からきれいな水を大気に放出し(環境形成)、人間が散策し風景を楽しむレクレーションの場となり(保健休養)、野生動植物が生存する生息地(生物多様性)でもあります。森林が人間にとっていかに重要な存在であるかがわかります。
 森林科学コーズでは、環境への負担の少ない木質系資源の持続的利用のための管理手法、国土保全・水源かん養の実態把握・手法開発、すぐれた景観の保全の必要性、野生生物の生息場所の保全の重要性などについて体得し、さらには森林を取りまく環境について学びます。幅広い自然科学および社会科学を基礎にして、森林という現場を基盤とした科学技術を展開し、実践的問題解決能力を持つ専門家(フォレスター)の育成が森林科学コースの教育理念です。  

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