東京農工大学環境資源科学科

東京農工大学 農学部 環境資源科学科
2022年度夏休み1日体験教室 体験テーマ 一覧

1. 環境ホルモンによる海洋生態系の異常を体感しよう
渡邉 泉:環境汚染解析分野)

 環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)は、現在も国連やEUで取り上げられる深刻な環境汚染物質です。その生態影響は当初注目を集めた生殖に関わるものだけでなく、現在は免疫系や神経系など様々な健康阻害を引き起こすことが明らかになってきています。このラボ体験では、現実に、また身近に起きている環境ホルモンの生態影響を観察し、環境汚染の深刻さを実感してもらうことを目的にしています。具体的には、東京湾に生息する軟体動物(巻貝)を解剖してもらい、各部位を観察し、データを取ります。解剖後、みんなで測定したデータを解析することで、進行する生態影響に迫ります。




2. 光触媒で汚れや臭いを分解してみよう
中田 一弥:環境物質科学分野)

 光触媒は日本発の環境技術で、油などの汚れや悪臭を分解したり、細菌やウイルスをやっつけてくれます。現在は、ビルの壁や窓ガラス、空気清浄機などに広く利用されています。体験教室では、最初に光触媒とはどういったものなのか?どういったところに使われているのか?などについて説明します。次に、光触媒を実際に使ってみて、汚れや臭いを分解する実験を行ってみたいと思います。日本が誇る環境技術を体感してみましょう。




3. 木材を機械加工して、その時の消費電力を測ってみよう。
安藤 恵介:生活環境分野 )

 木材は、鉄やアルミニウムと比べ、製造や加工に必要なエネルギーがとても少なくてすむといわれています(例えば、林野庁 https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/kidukai/con_2_3.html)。本体験教室では、自動一面かんな盤(表面を削る)や帯鋸盤(縦挽きする)を用いて木材を加工し、その消費電力を測定します。また、所要動力に被削材や加工条件の違いがどのように影響するのかを考察し、実験して確認してみましょう。




4. 空気を読む(大気環境測定)
松田 和秀:生物圏変動解析分野)

 空気の主成分は窒素と酸素ですが、これらの2成分の他にも様々な物質が含まれています。例えば二酸化炭素の濃度は酸素の400分の一くらいですが、地球の気候を変えるくらいの力を持っています。また、空気中に存在するのは気体だけではありません。小さな粒子の形で液体や固体も浮かんでいます。特に直径2.5ミクロン以下の微小な粒子をPM2.5と呼び、人体へ悪影響を与える汚染物質と考えられています。本体験教室では、これらの目に見えない空気中の物質を測定して、その存在を実感してもらい、大気環境問題について一緒に考えたいと思います。



5. 環境に優しい紙を作ってみよう!
小瀬 亮太:バイオマス・リサイクル分野)

 脱プラスチック社会の必要性が叫ばれる中、紙は石油系プラスチックに代わる環境に優しい材料候補として注目を集めています。また、 紙は非常に身近にたくさんあり、なんと2000年以上の歴史があります。 そんな紙について普通は知らない紙の作り方や紙の性質、紙の構造について詳しく勉強してみませんか? きっと「なるほど!」と思う発見がありますよ。そして、環境に調和した社会にふさわしい紙の可能性について、紙作りをしながら一緒に考えてみよう。




6. 葉の性質と光環境の関係を調べてみよう
渡辺 誠:植物環境分野)

 植物の葉は、おかれた環境に適した性質を持ちます。学校や家の近くの木を見てみてください。上の方の葉は太陽の光をたくさん浴びていますが、下の方あるいは内側の葉にはあまり光が当たっていませんね?このような光環境の違いは葉の性質にどのような影響を与えるのでしょう?この体験教室では、大きな木の上部と下部の葉の性質(葉の形態や成分濃度など)の違いを、実際に測定・分析し、光環境との関係を考えます。様々な工夫が凝らされた樹木の仕組みの一端を感じてください。