東京農工大学環境資源科学科

吉田 誠(よしだまこと)教授 
バイオマス・リサイクル分野


研究室で行っている研究の内容

 現在の地球環境は,温暖化や化石資源の枯渇といった深刻な問題を抱えています。その解決策の一つとして,再生可能な植物バイオマス資源を原料としてバイオ燃料やマテリアル原料を作り出す技術が注目されています。特に,食糧危機を引き起こさない資源である農産廃棄物や林産廃棄物といった未利用植物バイオマスに期待が集まっています。しかし,これらのバイオマスは堅牢な構造を持つことから,バイオ燃料やマテリアルの原料となる単糖類(ブドウ糖など)にまで分解することは容易ではありません。私達は,植物を分解している微生物に学ぶことに解決策があると考えています。そこで本研究室では,自然界において木や草が微生物によりどのように分解されるのかを遺伝子,ゲノム,タンパク質,細胞レベルで解析し,それらの微生物の持つ分解能力を最大限に引き出すことで,未利用植物バイオマスから有用物質を作り出す技術を開発する研究を行っています。

主な担当授業科目とその内容

 1 年生の前期では,「 TAT 化学」という授業の一部を担当します。そこでは,理系大学で学ぶにあたって最低限必要な化学の知識について勉強してもらいます。 2 年生の前期では,「森林資源科学」という授業を船田先生,佐藤先生と一緒に担当します。この講義では,植物バイオマスの特徴を生物的,化学的,物理的な観点から学んでもらいます。 3 年生になると「生分解学」という講義を担当します。これは,私が専門としている研究分野に関する講義で,植物バイオマスが微生物によりどのように分解されていくのかといった基礎的な話から,それがどのように社会に役立てられているのかといった応用的な話までを幅広く講義します。また,上記の講義以外に,生物系と化学系の学生実験についても,他の先生方と一緒に担当しています。私が受け持っている学生実験として,化学系の実験では植物バイオマスの化学組成を調べる分析方法について実験してもらいます。また,生物系の実験については,微生物(特に菌類)の顕微鏡観察や微生物の培養,微生物が植物バイオマスを分解する力(分解力)を測定する方法などについて学んでもらいます。また, 4 年生では,卒業論文作成のために,研究室に所属して研究に取り組んでもらっています。

環境資源科学科を希望する受験生に向けて

 環境問題や資源問題とはちょっと違った観点から環境資源科学科を紹介してみます。

 本学科の大きな特徴の一つに,それぞれの教員が生物,化学,物理など異なる得意分野を持っており,個々の得意分野をいかして互いに協力しあいながら教育・研究を行っているということがあります。例えば生物を例にとっても,微生物や植物,動物など研究対象は様々ですし,研究のアプローチも遺伝子・タンパク質レベルから組織・個体レベル,食物連鎖・生態系レベルに至るまで,実に様々な得意分野を持った教員で構成されています。 もちろん,化学や物理でも同じように,色々な得意技を持った教員がいます(環境問題や資源問題を解決するためには,それだけ色々なアプローチが必要だということです)。このように多様な分野の専門家で構成される環境資源科学科で学ぶことによって,環境問題や資源問題の解決策について色々な角度から知識を得ることができますし,その中から自分に合った専門分野がきっと見つけられるでしょう。

 皆さん,環境資源科学科で環境問題や資源問題について色々な角度から学び,そして自分が本当にやりたい分野をみつけ,一緒に研究しませんか?

より細かい情報

研究室 website http://www.tuat.ac.jp/~ymakoto/
研究室名 生分解制御学研究室
居室 府中1号館3階314 号室
専門分野 糖質関連酵素学,木材保存学,微生物学,分子生物学