東京農工大学環境資源科学科

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環境資源科学科AO入試

東京農工大学

東京農工大学農学部


中嶋吉弘(なかしまよしひろ) 准教授 
環境汚染解析分野


研究室で行っている研究の内容

  大気のほとんどは窒素 (78.1%) や酸素 (20.9%) ,アルゴン (0.9%) で大部分を占めています。一方で大気中には数億分の 1 くらい ( またはそれよりもっと低い ) の割合で,窒素酸化物などの無機化合物や炭化水素などの有機化合物が存在します。これら極めて低濃度の物質が化学反応を起こすことで,有害な光化学オキシダントや PM2.5 などの微粒子を生成します。ところで大気中の化学反応は日中と夜間では大きく様子が異なります。それは太陽光という『エネルギー源』の有無による違いです。夜間はいわば化学反応のエネルギーが供給されない状態ですが,それでも着実に進行しています。そしてこの夜間の化学反応の主役が窒素酸化物です。

 窒素酸化物はまた日中では光化学オキシダントを作り出す物質でもあるため,昼夜を問わず大気化学において重要な物質の一つです。窒素酸化物はエンジンの排ガスや森林火災など,燃焼過程で発生する物質であるため人間の産業活動では常に排出される物質です。ではこの窒素酸化物はどのような化学反応を経て大気中から除去されるのでしょうか?またその除去量はどれくらいでしょうか?

 中嶋研究室では生命が直接触する大気 ( 下部対流圏 ) の化学反応,特に夜間に発生する窒素酸化物の化学反応に着目し,窒素酸化物が大気中でどのような反応を経由して消失するか,消失した窒素酸化物はその後どうなるか,窒素酸化物の消失により大気環境にどのような影響を及ぼすか,といった研究を行なっています。

主な担当授業科目とその内容

  直接の担当授業科目はありませんが,いくつかの授業または実習の補助を行なっています。例えば 3 年生前期に開講される「環境資源科学実習」では,実際に大気環境の計測を行なっている現場 ( 平成 25 年度は東京都環境科学研究所を予定 ) を見学するための引率を行なっています。また同じく 3 年生前期に開講される「環境資源科学実習 IV (通称地学実験)」では,府中キャンパス周辺の大気を測定することを行います。

環境資源科学科を希望する受験生に向けて

 二酸化炭素などの温室効果気体による気候変動は最もよく知られた大気環境問題のひとつです。その影で現在も日本国内では光化学オキシダントと呼ばれる大気汚染物質の濃度増加が問題となっています。 2013 年 1-2 月ごろに中国で発生した PM2.5 による大規模な大気汚染に見られるように新興国ではこれからまさに大気環境問題への取り組みが始まります。このように大気環境問題は古いようでまだまだ現在進行形の問題です。

 みなさんは『コベネフィット・アプローチ』 ( 『コベネフィット』または『コベネ』とも呼ばれています ) という言葉をご存知でしょうか?日本語に訳すると『相乗便益』と呼ばれています。コベネフィット・アプローチとは,簡単に言うと「ある一つの問題に対して対策を採ることで複数の別の問題に対する成果や改善が同時に生まれること」です。一石二鳥」と似ていますね。かつては大気汚染問題と温室効果気体の増加による気候変動への影響は個別の対応をとっていました。しかし実際は大気汚染物質の代表格である光化学オキシダントは温室効果気体でもあります。また PM2.5 に代表される微粒子はその中身によっては地球の温暖化にも寒冷化にも働きます。このような観点から,現在では大気汚染の研究は気候変動にも貢献すると考えられており,「コベネフィット・アプローチ」の一例として挙げられています。

 大気環境問題は一朝一夕では解決できない複雑で困難な問題です。またコベネフィット・アプローチの観点から考えると,大気環境問題は我々のまだ知らないところで土壌や水域の環境またはそこに生息する生物環境にもリンクしているかもしれません。環境資源科学科は大気から水域・土壌と各領域に生きる生物環境に至るまで,幅広い領域の環境問題とその解決策の模索に取り組んでいる学科です。大気に限らずいろんな領域での環境問題に興味を持っている方にはぜひとも本学科への入学 ( もしくは進学 ) をお勧めいたします。

もちろん環境問題に取り組むためには,その下地となる基礎的な自然科学に関する知識が必要となりますが,本学で学ぶことにより少しずつ習得していくことと思いますし,そのための助力を惜しむつもりはございません。環境問題に関心ある多くの方々 ( または環境資源科学科のホームページを閲覧して興味を持っていただいた方々 ) が,環境資源科学科で共に学んでいくことをお待ちしています。

より細かい情報

研究室 website  準備中
居室 府中キャンパス 2 号館 1 階 114 号室 ( 内線 5258)
研究キーワード 夜間大気化学,窒素酸化物,分子分光学