気候変動による生態系影響と対策

岩岡 正博

林業ならびに木質バイオマスの加工プロセスなどに関するCO<SUB>2</SUB>排出量のインベントリ分析ならびにライフサイクルアセスメント。


加用 千裕

森林管理・木材利用による地球温暖化緩和効果(炭素貯蔵効果・化石燃料削減効果・化石燃料代替効果)に関する研究


白木 克繁

地球温暖化に代表される将来の気候変動の怖れの一つとして、集中豪雨による土砂災害が挙げられます。台風の巨大化や集中豪雨の規模と頻度の増加が予測されています。これらの対策として方向性として、二つの手法を考えています。一つは現在起きている豪雨でおきてる山地での降雨-流出過程を実測することです。日本各地で水文試験地を設けて、降水量と流出量の基礎情報を修得し、数年に一度起こる豪雨の際にどのような状況となるかを実測します。また、熱帯の山地流域における降雨流出過程を観測しており、日本では通常生じない規模の豪雨やスコールが観測できます。これらの情報も日本の将来の予測にフィードバックできます。二つ目の方向性は、実際に市民一人一人が地球温暖化や気候変動を実感できる方法を示すことだと思います。”通常とは違う”と個人個人が体感として感じることが、集中豪雨による災害への防備力を高めるものと考えています。このような”ボトムアップ”の気候変動対策をより効果的に進めるためには、どのような環境・防災教育が提示できるかを試行しています。


崔 東寿

産業革命以来、地球規模での気候変動や地球温暖化、また、大気汚染物質の増加などの環境変化が樹木および森林生態系における影響を評価する。


戸田 浩人

地球規模での気候変動、温暖化、大気汚染などの環境変化は森林生態系における生物地球化学過程を攪乱し、さまざまなメカニズムを通じて生態系の構造や機能、サービスに影響を及ぼしていると考えられている。森林土壌窒素の動態は生物地球化学過程においてきわめて重要な要素であると認識され、古くから多くの研究が行われてきた。その中で、植生−微生物−土壌系における窒素動態、特に窒素無機化や硝化、溶脱、脱窒、養分吸収などのプロセスについて数多くの知見がこれまで得られてきた。しかしながら、さまざまな環境変動に対する窒素代謝・動態の応答様式やそのメカニズム、土壌内における空間的複雑性や不均一性、多様な時空間スケールをもった窒素代謝・循環メカニズムについては未だに未解明な点が多く残されている。