人と動物の関係

金子 弥生

食肉目動物への関心や接点を常に持っている人は多くいます。一方で、野生動物に関心は高くても、自然の中で接点を持つ機会はなかなかありません。たまに見る動物の姿は、農作物被害、ロードキルの死体など、通常のその動物の生活と異なる状態ばかりです。姿の見えない動物を、適切に保護することは可能なのでしょうか?このプロジェクトでは、飼育動物、病気の野生動物、野生動物による被害などの野生動物との接点で得た経験が、自分の居住地域や自国の生態系について持っている意識に及ぼす影響について調べ、個々の動物観の形成要因について考察を行うことを目的としています。


鈴木 馨

1.平山加奈子,松本令以,富岡由香里,鈴木 馨(2011)動物の人間に対する恐怖心を減少させる積極的な処置の検討.共生社会システム研究5:47-69
人間の管理下に置かれる動物の福祉に資するため、飼育動物と保護された野生動物を対象にして、人間に対する恐怖心を減少させるための積極的な処置を検索した。空腹後の餌づけ、低頻度で1回ごとが長時間のハンドリング、高頻度で1回ごとが短時間のハンドリングの3者を比較検討したところ、対象としたすべての動物について、高頻度で1回ごとが短時間のハンドリングが最も有効な方法であることが明らかとなった。