生物群集のなりたちと生物多様性 |
赤坂 宗光 |
注目する生物群集の多様性が、どのように決定されるか、その機構を主にため池に生育する水生植物を対象に明らかにしている。主に、生息地の空間配置や連結性に注目しメタ群集の挙動とその背後にある生態学的な過程に関心をもち研究に取り組んでいる。 |
岩井 紀子 |
金子 弥生 |
アジア−ヨーロッパ境界地域としての固有の生態系を有するブルガリア中南部トラキア地方)において、人間活動を理由とした絶滅による種の欠損がない食肉目群集であり、キンイロジャッカルやヨーロッパヤマネコなどのヨーロッパの絶滅危惧種が同国には豊富に生息します。しかし、近年ではロードキル、家畜被害を理由とした駆除、生活ゴミに餌付く個体の出現など、人間と野生動物との間の軋轢問題が顕在化しています。また、同国は2007年にEU加盟を果たし、今後は西洋型資本主義経済化による土地利用、産業構造、生活スタイルなど人間社会の大きな変化が予想されます。本プロジェクトでは、生態研究と社会状況調査の両立によって、将来的な社会変化の中で実効的で実現可能な生息地管理策を提案します。すなわち、研究対象とする食肉目動物の基礎生態の解明を通じて当地域の食肉目群集の固有性を学術的に評価し、得られた知見を応用して変化しつつあるトラキア地域における野生生物の保全に寄与することを目的としています。 |
小池 伸介 |
森林生態系には様々な生物が生息し、複雑な種間関係を築きあげています。主に昆虫類を中心にどのような種群と関わりながら、生物群集や生態系を維持しているのかを調査しています。具体的な一例としては食糞性コガネムシをめぐる腐食連鎖系に関する研究を行っています。自然生態系における食糞性コガネムシと野生動物との関係や、生態系での役割を明らかにすることを目指しています。 |
吉川 正人 |
種組成により植物群落を分類,体系化する植物社会学の手法により,日本の森林植生の東アジア地域との比較をおこない,その植生地理学的な位置づけを研究している. |
吉田 智弘 |
動物群集は、餌とすみ場所、すなわち、資源量と空間サイズに規定されている。様々な群集においてそれらの関係の詳細を明らかにすることは、そのシステムにおける生物多様性の形成・維持機構の解明につながる。私たちは、腐食連鎖系生物とそれらの利用する資源(枯死有機物)および空間(樹洞、林床等)を対象にして、研究をおこなっている。 |