越境大気汚染の研究

平成25年1月〜3月には中国におけるPM2.5の高濃度汚染が大きな話題となりました。
日本にもその影響が出るのではないかと恐れた人も多かったことと思います。
東アジア地域からの国境を越えた大気汚染物質の輸送の問題は、酸性雨の現象を

はじめとして、広く地球規模の問題にも関わってきています。受け手側である日本に
おける観測だけでなく、大規模発生源である中国における観測も進めてきました。

私たちは、中国における大気汚染物質の地上観測や航空機観測を中国の研究者と
同で行って来ました。
現在はJSTの日中間の研究交流事業(H24-26)や環境省の環境研究総合推進費
(H22-24、H26-28)に基づくプロジェクト研究により、東シナ海周辺に飛来するエアロ
ゾルの地上観測(イオン成分、金属成分、PAHなど)の分析を中心とした研究を行っ
ています。

沖縄県の沖縄本島北端の辺戸岬には観測ステーションが設けられ(国立環境研究
所の設置)、UNEP(国連環境計画)の重要観測サイトにも認定されています。ここで
はエアロゾルを中心にその化学成分の高時間分解能観測が行なわれ、また多くの
大学や研究所の研究者が様々な測定機器を設置し、総合的な観測を進めています。
私たちはハイボリュームサンプラーや、ナノサンプラーと呼ばれる粒径別エアロゾル
捕集装置を用いてエアロゾルを採取し、それに含まれる化学成分の分析を行うとと
もに、越境大気汚染の輸送や発生源の解析を進めています。

越境大気汚染に関する解説(pdf)       中国における航空機観測の解説(pdf)

 

中国での観測に用いた飛行機


 

辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーションに関する解説

辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーション

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