アコースティック・エミッションとは

 アコースティック・エミッション(acoustic emission, AE)は、材料の亀裂の発生や進展などの破壊に伴って発生する弾性波(振動、音波)で、地震も地球規模のAEと考えることができる。木材が折れる時の「ポキッ」という音もAEであるが、この音が聞こえる前から超音波領域(周波数20kHz以上)でのAEが発生することが知られていた。近年の超音波技法の進歩に伴いAEを用いて破壊の情報を知ろうとする計測の技術が確立された。

 AEは材料内の応力集中に敏感に反応するので、欠陥検出や強度推定などの材料評価に、また、破壊の進展過程をモニタリングできるので稼働中の構造物の保守検査に、新しい非破壊検査法として実用化されている。さらに、亀裂などの欠陥を有する材料評価のために近年発展した破壊力学のパラメータである応力拡大係数やエネルギー解放率と対応づけることができるので、材料の破壊機構を調べる基礎的な研究にも広く用いられている。

 AEの実用例を挙げるとFRPの保証検査、ガスタンクなどの圧力容器の保証検査や保守検査、発電タービンの軸受けの摩耗状態の監視、地崩れの予知、化学プラントの漏れの検出、また、航空機に応用することで従来の煩雑な検査工程を大幅に短縮することが報告されている。

 超音波の非破壊検査法にはAE法のほかに超音波探傷法があるが、これは送信した超音波が欠陥により反射された信号を解析する方法である。超音波探傷法を駆逐艦がソナーを用いて潜水艦を捜索することに例えると、AE法は潜水艦がスクリュー音を聞いて艦船の種類や所在を確認することに例えられる。また、超音波深傷法は医者の打診に、AE法は聴診に例えられる。


1.アコースティック・エミッションとは

2.AEの歴史

3.AEの原理


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