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第8回遺伝子実験施設定期公開セミナー(平成11年3月5日)

(1)「神経誘導と前後軸パターン形成におけるオーガナイザー
    特異的 LIM ホメオボックス遺伝子 Xlim-1の役割」
    東京大学大学院理学系研究科 助教授  平良 眞規

 脊椎動物の初期発生において中心的役割を果たすのがシュペーマン・オーガナイザーである。その誘導作用により外胚葉に神経組織が形成され,隣接する中胚葉に体節等が形成される。本セミナーでは,このオーガナイザーに特異的に発現するホメオボックス遺伝子の一つ Xlim-1 の転写因子としての役割,およびその活性化機構と標的遺伝子 について解説した。


(2)「ゲノムDNAメチル化と植物形態形成とトランスポゾン:
    アラビドプシス突然変異体を用いたアプローチ」
    農業生物資源研究所 主任研究官  角谷 徹仁

 アラビドプシスのDNAゃメチル化突然変異 ddm1 は,他の座を変化させることによって,種々の発生異常を誘発する。一方,遺伝子重複に伴ってゲノム中で発現を抑制されているトランスポゾンが,ddm1 突然変異体で再活性化される。トランスポゾンの発現抑制は,ゲノムの一次構造安定化だけでなく,隣接した植物遺伝子の正常な発現にも重要と考えられ,遺伝子発現の調節機構についての研究報告がなされた。